帝王切開分娩に際し硬膜外無痛分娩の転換に失敗して全身麻酔を必要とする場合のリスクファクター

硬膜外無痛分娩2.png・研究の目的は、帝王切開分娩(CD)に際して、無痛分娩用硬膜外鎮痛を麻酔に変更しそこなって全身麻酔を必要とする場合の発生率および危険因子を検討することであった。

・2009 年から 2014 年に著者らの施設で無痛分娩用の硬膜外鎮痛がすでに留置してあり、CD のために麻酔に変更する必要が生じた妊娠患者を特定した。後ろ向きレビューにより、CD に際して、硬膜外麻酔への変更が成功した患者と 全身麻酔を必要とした患者を比較した。CD への硬膜外麻酔への変更失敗の危険因子を特定するため、患者の特徴を分析した。

・合計 673 名の患者が本研究に対象となった。硬膜外麻酔への変更の失敗率は 21% であった。全身麻酔を必要とする硬膜外麻酔への変更失敗の主な危険因子は、母体年齢が若いこと(95%CI 0.94、P= 0.0002)、CD 中にフェンタニル(95%CI 0.19、P<0.0001)またはミダゾラム(95%CI 0.26、P=0.0008)を静脈内投与したこと、などであった。また、硬膜外麻酔への変更失敗のリスクが高いのは、より緊急性が高い場合 CD(CD カテゴリー1、2、3 vs カテゴリー4)であった。

・これまでの報告と同様に、若年で CD の緊急性が高い場合、硬膜外麻酔への変更失敗の可能性が高くなる。硬膜外麻酔への変更失敗は多因子性で複雑であると考えられるが、これらの因子の多くは、CD 前の無痛分娩用硬膜外鎮痛が不十分で、うまく機能していないことを示唆している。これらの要因をさらに評価する前向き研究が必要であり、硬膜外麻酔への変更失敗の最善の予防法は、CD が切迫する前に、効果のない硬膜外無痛分娩を確実に診断し、評価することである。

無痛分娩用の硬膜外鎮痛が十分に機能していなければ、いざ帝王切開となった時にも、十分な硬膜外麻酔にはならないのは当然だろう。無痛分娩用の硬膜外カテーテル留置は、そのまま帝王切開になっても「効かせるぞ!」という意気込みで慎重に留置しないといけないということだ。

【出典】
Risk factors for labor epidural conversion failure requiring general anesthesia for cesarean delivery
J Anaesthesiol Clin Pharmacol. Jan-Mar 2022;38(1):118-123. doi: 10.4103/joacp.JOACP_192_20. Epub 2021 Oct 13.

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