異なる年齢層における麻酔導入時の意識消失を達成するためのレミマゾラムの 95% 有効用量の決定
・レミマゾラムは、もともとミダゾラムの改良型として開発された新しい超短時間作用型ベンゾジアゼピンである。最近の研究では、全身麻酔におけるレミマゾラムのプロポフォールに対する非劣性が示された。しかし、全身麻酔を達成するために必要なレミマゾラムの導入ボーラス量について検討した研究はこれまでほとんどない。著者らは、意識消失(LOC)を達成するために必要なレミマゾラムの 95% 有効量(ED95)および年齢層別の適切な用量を明らかにすることを目的とした。
・年齢 20-79 歳の ASA-PSⅠ/Ⅱの患者を本研究に登録した。若年層、中年層、高齢層からなる計 120 名の患者を対象とした。レミマゾラム投与後、睫毛反射と言語反応が消失した場合を LOC 成功としている。レミマゾラムの ED95 は、順次割り付けによる不正コイン上下法と等張回帰法を用いて決定された。
・全身麻酔導入時のレミマゾラムの ED95 は、若年群で 0.37 mg/kg(95% 信頼区間[CI]:0.28-0.39)、中年群で 0.37 mg/kg(95% CI:0.27-0.39)、高齢群で 0.25 mg/kg(95% CI:0.2-0.29)であった。試験期間中、低血圧や徐脈のためにレスキュー薬を必要とした患者はいなかった。
・本研究は、麻酔導入時のレミマゾラムのボーラス投与による ED95 を検討したものであり、ED95 を正確に投与することにより、麻酔導入時の血行動態の安定性を維持することが可能となる。
・年齢 20-79 歳の ASA-PSⅠ/Ⅱの患者を本研究に登録した。若年層、中年層、高齢層からなる計 120 名の患者を対象とした。レミマゾラム投与後、睫毛反射と言語反応が消失した場合を LOC 成功としている。レミマゾラムの ED95 は、順次割り付けによる不正コイン上下法と等張回帰法を用いて決定された。
・全身麻酔導入時のレミマゾラムの ED95 は、若年群で 0.37 mg/kg(95% 信頼区間[CI]:0.28-0.39)、中年群で 0.37 mg/kg(95% CI:0.27-0.39)、高齢群で 0.25 mg/kg(95% CI:0.2-0.29)であった。試験期間中、低血圧や徐脈のためにレスキュー薬を必要とした患者はいなかった。
・本研究は、麻酔導入時のレミマゾラムのボーラス投与による ED95 を検討したものであり、ED95 を正確に投与することにより、麻酔導入時の血行動態の安定性を維持することが可能となる。
ひこ
レミマゾラムの添付文書には、ボーラス投与量は示されておらず「通常、成人には、レミマゾラムとして12 mg/kg/時の速度で、患者の全身状態を観察しながら、意識消失が得られるまで静脈内へ持続注入する。なお、患者の年齢、状態に応じて投与速度を適宜減速すること。」とある。
【出典】
Determination of the 95% effective dose of remimazolam to achieve loss of consciousness during anesthesia induction in different age groups
Korean J Anesthesiol. 2022 Aug 1. doi: 10.4097/kja.22331. Online ahead of print.
Determination of the 95% effective dose of remimazolam to achieve loss of consciousness during anesthesia induction in different age groups
Korean J Anesthesiol. 2022 Aug 1. doi: 10.4097/kja.22331. Online ahead of print.
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