日本国内の三次病院 14施設における全身麻酔中の薬剤性アナフィラキシー:後ろ向き多施設観察研究

スガマデクス.png・周術期アナフィラキシーは突然発生し、生命を脅かす可能性があるため、麻酔科医は周術期アナフィラキシーの疫学と適切な対処法について十分な知識を持つ必要がある。欧米諸国で行われた最近の研究では、各国の周術期アナフィラキシーの特徴について報告されている。しかし、日本における周術期アナフィラキシーに関する研究はほとんどない

・日本と海外のギャップを埋めるため、2012 年から 2018 年に群馬大学医学部附属病院と近隣の13病院で発生したアナフィラキシー患者 46 名のデータを収集し、分析を行った。最近開発された臨床スコアリングシステムと皮膚テストを組み合わせ、確定診断のついた症例のみを対象とした。

原因薬剤はスガマデックスが最も多く、次いでロクロニウム、セファゾリン、セファゾリン以外の抗生物質であった。さらに、原因薬剤ごとのアナフィラキシーの特徴を明らかにした。薬剤投与から症状発現までの時間は,セファゾリン投与群が最も長かった.また、手術中止の発生率はロクロニウム群で最も高かった。

・本研究の結果が日本全体に適用できるかどうかは不明であるが、周術期アナフィラキシーの原因薬剤と各原因薬剤によるアナフィラキシーの特徴に関する情報は、麻酔科医にとって有用であろう。

アナフィラキシーの原因は多い順に、スガマデックス、ロクロニウム、セファゾリン、セファゾリン以外の抗生物質

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