■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2022/09/16
【問題1】(麻酔) 気管内挿管操作による頻脈、血圧上昇を避けるために特に有効なのはどれか。 | ア:酸素化(oxygenation)を充分に行う。 イ:アトロピンを静注する。 ウ:Paco2を正常範囲内に保つ。 エ:気道の表面麻酔を行う。 オ:フェンタニルをあらかじめ静注しておく。 |
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[解説] 気管挿管操作による頻脈・血圧上昇がどのような原因で起こるかを考えれば解答できる。 気管挿管に伴う神経反射には、交感神経反射と副交感神経反射の2つがある。交感神経反射は、舌根部の圧迫により交感神経を介して心臓反射が起き、頻脈・血圧上昇を起こす。また、高二酸化炭素(CO2)でも交感神経反射が引き起こされる。副交感神経反射は低酸素血症で引き起こされる。迷走神経反射が生じて心臓抑制をもたらし、低血圧・徐脈を起こす。
ア:× 十分な酸素化により気管挿管時の低酸素血症を予防し、副交感神経反射を起こさないようにしている。
イ:× アトロピンにより副交感神経が遮断され、交感神経優位になり頻脈になる。
ウ:× これは、高CO2血症を予防し、交感神経反射を起こさないためである。
エ:○ 通常、局所麻酔薬(リドカイン)を気道に噴霧し、気管挿管操作による交感神経反射を予防する。
オ○ フェンタネストは合成麻薬である。血行動態の安定している患者では、気管挿管による血圧上昇反応を抑制できる。
[正解] (エ)、(オ) [出典] 医師国家試験 67B75
■ Top 100 Secrets ■ For elective procedures,the most current fasting guidelines are as follows: ・ Clear liquids (water,clear juices) 2 hours ・ Nonclear liquids (Jello,breast milk) 4 hours ・ Light meal or snack (crackers,toast,liquid) 6 hours ・ Full meal (fat containing,meat) 8 hours |
[Words & Phrases]
[出典]Anesthesia Secrets 3rd Edition
【問題2】(血液) C型肝炎ウイルスのウィンドウ・ピリオドはどれくらいか? | 1) 約6ヵ月 4) 約1ヵ月 | 2) 約1週間 5) 約3ヵ月 | 3) 約2週間 |
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[解説] 1997〜1998年の2年間に血液製剤の使用によるとみられるC型肝炎ウイルスの感染が33件、AIDSウイルス感染の疑いが1件あった。血液製剤の原材料となる献血による血液にはウイルス検査が実施されているが、ウイルス感染直後の血液は抗原抗体検査に反応しない「ウィンドウ・ピリオド」という期間があるため検査をすり抜けてウイルスが混入する可能性がある。C型肝炎のウィンドウ・ピリオドは平均82日、HIVは約22日である。感染の危険を完全になくすのは難しい。
[正解] 5 [出典] 朝日新聞1999年8月11日
【問題3】(中枢神経) 意識障害に注射痕を認めたときは何を考えるか? | 1) 麻薬中毒 3) 甲状腺機能低下症 5) 肝性昏睡 | 2) 高血糖性昏睡 4) 熱中症 |
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[解説] 意識障害に注射痕を認める場合には麻薬中毒、インスリン低血糖を考慮すべきである。
[正解] 1 [出典] クリティカル記憶術2P16
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