心臓手術後の心房細動予防のためのランジオロール:系統的レビューとメタ分析

心房細動.png・術後心房細動(POAF)は心臓術後によくみられる合併症である。β遮断薬は POAF を予防するというエビデンスがあるが、しばしば低血圧を引き起こす。超短時間作用型のβ1遮断薬であるランジオロールは、血行動態に悪影響を及ぼすことなく POAF を予防できる可能性がある。

・1970 年 1 月から 2022 年 3 月までの MEDLINE、CENTRAL、Embase、および試験登録を検索した。心臓手術後の POAF 予防に対するランジオロールの効果を評価した無作為化比較試験(RCT)を対象とした。2 名のレビュアーが独立して適格性を評価し、データを抽出し、Risk of Bias 2.0 ツールを用いて偏りのリスクを評価した。ランダム効果モデルを用いてデータをプールした。エビデンスの確実性を評価するために、GRADE アプローチの枠組みを用いた。

868 人の参加者を含む 9 件の RCT が適格基準を満たした。ランジオロールに無作為化患者(56/460 人)は対照(133/408 人)と比較して POAF が少なく、相対リスク(RR)は 0.40(95% 信頼区間[CI]、0.30〜0.54;I2=0%)、絶対リスクは 12.2% vs 32.6%(絶対リスク差、20.4%;95%CI、15.0〜25.0)であった。入院期間(LOS)はランジオロールの方が短かった(268 例;平均差 -2.32 日;95%CI、-4.02〜-0.57;I2=0%)。徐脈については有意差はみられなかった(RR, 1.11; 95%CI, 0.48 〜 2.56; I2=0%)。ランジオロールによる低血圧の報告はなかった。エビデンスの確実性は、POAF については中程度(アウトカムが明確に定義されていないため間接的であるため)、LOS については低い(不正確であり報告バイアスが懸念されるため)と判断した。

心臓手術を受ける患者において、ランジオロールは POAF を減少させる可能性が高く、LOS を減少させる可能性がある。これらの所見を確認するためには、決定的な大規模 RCT が必要である。

やはり心臓手術ではルーチンにオノアクトを流しておいた方が良さそうだ。

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