麻酔下筋弛緩患者における LMA プロテクターと LMA プロシールの口腔咽頭リーク圧の比較-無作為化比較試験

LMAプロテクター.png・本研究では、ラリンジアル・マスク・エアウェイ(LMA)プロテクターはLMA ProSeal よりも口腔咽頭リーク圧(OLP)が高いという仮説を立てた。そこで本研究では、LMA プロテクターと LMA プロシールの臨床性能を、OLP を主要目的とし、挿入特性を副次目的として比較することを計画した。

年齢 18〜70 歳の男女いずれかの患者 90 名を PS 群(LMA ProSeal)と P 群(LMA Protector)に無作為に割り付けた。麻酔導入後、群割り当てに従って器具を挿入した。両器具の OLP が主要目的とされた。挿入時間、挿入の容易さ、必要な試行回数、ファイバー視野の等級、カフ圧(CP)を 60cmH2O にするのに必要な空気の量(mL)、CP 調整の必要性 、合併症がある場合はその合併症などの副次目的も記録した。データは coGuide 統計ソフトウェア、バージョン 1(BDSS Corp.バンガロール、カルナータカ、インド)を用いて分析した。

OLP の中央値(四分位範囲)は、LMA プロテクターの方が LMA ProSeal よりも有意に高かった[33.00(27.0、36.0) vs [29.50(26.0、32.0)(P=0.009)]。挿入時間、挿入のしやすさ、ファイバー視野の評点に群間差はなかった。胃管留置の失敗はPS群で1例、P群で3例であった(P = 0.606)。CPを 60cmH2O にするのに必要な空気の量(mL)の中央値は、PS 群で 26.5(20,28)、P群で 12(8,13)であった(95% 信頼区間[CI]=10.808-14.575)(P<0.001)。全時点において、CP は有意に高く、P 群よりも PS 群の方が多くの CP 調整が必要であった(P<0.001)。1 時間後および 24 時間後の血液汚染および術後咽頭痛の発生率は、両群間に差はなかった。

LMA Protector は LMA ProSeal と比較して、OLP が有意に高く、CP 調整の必要性が少なかったが、初回成功率、平均挿入時間、ファイバー視野、胃管挿入は同等であった。

LMA プロテクターのほうがプロシールよりも、断然リーク圧が高い。

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