心臓手術を受ける患者における麻酔導入時のレミマゾラム単剤投与の有効性:前向き単施設無作為化比較試験

レミマゾラム vs ミダゾラム.png・レミマゾラムは最近市場に投入された超短時間作用型ベンゾジアゼピンである。この薬剤は全身麻酔時に安全で有効であると考えられているが、心臓手術を受ける患者に及ぼす影響については限られた情報しか得られていない。そこで本研究では、心臓手術を受ける患者の麻酔導入時にレミマゾラムをボーラス投与した場合の有効性と血行動態の安定性を評価することを目的とした。

・待機的心臓手術を受ける患者を、レミマゾラム 6mg/kg/h の持続注入による麻酔導入(持続投与群)、レミマゾラム 0.1mg/kg の単回ボーラス注射(ボーラス 0.1 投与群)、レミマゾラム 0.2mg/kg の単回ボーラス注射(ボーラス 0.2 投与群)の 3 群のいずれかに無作為に割り付けた。修正 OAA/S Scale<3 と定義したた反応性喪失までの時間、および麻酔導入中の血行動態の変化を測定した。

反応消失までの時間は、連続投与群、ボーラス 0.1 投与群、ボーラス 0.2 投与群でそれぞれ 137±20 秒、71±35 秒、48±9 秒であった。連続投与群とボーラス 0.2 群との平均差が最も大きく(89.0、95% 信頼区間[CI]、79.1-98.9)、次いで連続投与群とボーラス 0.1 群との差(65.8、95%CI、46.9-84.7)、最後にボーラス 0.2 群とボーラス 0.1 群との差(23.2、95%CI、6.6-39.8)であった。患者の動脈血圧と心拍数に有意差はみられなかった。

レミマゾラムの単回ボーラス注入は、心臓手術を受ける患者に効率的な麻酔導入を提供した。0.2mg/kg のレミマゾラムのボーラス注射は、血行動態パラメータを有意に変化させることなく、3 群間で最も反応消失までの時間が短かった。したがって、この投与法は心臓手術を受ける患者にとって好ましい麻酔導入法と考えられる。

心臓の悪い患者でもレミマゾラム 0.2mg/kg のボーラス投与による麻酔導入が安全に実施できると。しかし、長時間かかる手術に使用して、ミダゾラム以上のメリットはあるのだろうか? 単なるお金の無駄遣いに過ぎないのではないだろうか?
・ミダゾラム注射液10mg 103円/管
   vs
・アネレム静注用 50mg1瓶 2218円。

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