抜管時間に対する 10mg/kg 塩化カルシウムとネオスチグミン併用投与の効果:無作為化比較試験
・ネオスチグミンによる筋弛緩の回復に対するカルシウムの効果を検討したいくつかの研究において、この併用は神経筋の回復を促進するが、術後の残存筋弛緩の発生率や抜管までの時間に有意な影響を与えないことが示されている。本研究では、ネオスチグミンと併用した 10mg/kg 塩化カルシウムの早期回復および抜管までの時間に対する効果を評価することを目的とした。
・本前向き無作為化二重盲検プラセボ対照試験には、全身麻酔下で 1 時間以上の待機的手術が予定されていた年齢 18〜65 歳の ASA I〜II 患者 88 人が組み入れられ、手術終了時に 10mg/kg の塩化カルシウムまたは同量の生食と 5μg/kg のネオスチグミンが併用投与された。抜管までの時間(ネオスチグミン投与から抜管までの時間)、ネオスチグミン投与から TOF 比(TOFr)0.9(神経筋回復)までの時間、残存筋弛緩(RNMB)およびその他の副作用の発生率を記録した。
・抜管時間の中央値(Q1、Q3)は、カルシウム群でプラセボ群より有意に短かった(6.5 分[5.52-7.43] vs 9.78 分[8.35-11])、P<0.001。カルシウム群の神経筋回復時間の中央値は 5 分であったのに対し、プラセボ群では 7.1 分であった、P<0.001。カルシウム群の患者は、プラセボ群と比較して、5 分後および 10 分後の TOFr が有意に高く、RNMB の発生率が低かった。
・ネオスチグミンと併用する 10mg/kg の塩化カルシウムは早期の神経筋回復を促進し、抜管までの時間を約 32% 短縮した。
・本前向き無作為化二重盲検プラセボ対照試験には、全身麻酔下で 1 時間以上の待機的手術が予定されていた年齢 18〜65 歳の ASA I〜II 患者 88 人が組み入れられ、手術終了時に 10mg/kg の塩化カルシウムまたは同量の生食と 5μg/kg のネオスチグミンが併用投与された。抜管までの時間(ネオスチグミン投与から抜管までの時間)、ネオスチグミン投与から TOF 比(TOFr)0.9(神経筋回復)までの時間、残存筋弛緩(RNMB)およびその他の副作用の発生率を記録した。
・抜管時間の中央値(Q1、Q3)は、カルシウム群でプラセボ群より有意に短かった(6.5 分[5.52-7.43] vs 9.78 分[8.35-11])、P<0.001。カルシウム群の神経筋回復時間の中央値は 5 分であったのに対し、プラセボ群では 7.1 分であった、P<0.001。カルシウム群の患者は、プラセボ群と比較して、5 分後および 10 分後の TOFr が有意に高く、RNMB の発生率が低かった。
・ネオスチグミンと併用する 10mg/kg の塩化カルシウムは早期の神経筋回復を促進し、抜管までの時間を約 32% 短縮した。
ひこ
これは初耳だな。筋弛緩の拮抗目的で、ネオスチグミンにカルシウムを併用することで筋弛緩の回復が早まり、早期抜管が可能になると。
【出典】
Effect of coadministration of 10 mg/kg calcium chloride and neostigmine on extubation time: A randomized controlled trial
Rev Esp Anestesiol Reanim (Engl Ed). 2024 Apr 12:S2341-1929(24)00065-9.
Effect of coadministration of 10 mg/kg calcium chloride and neostigmine on extubation time: A randomized controlled trial
Rev Esp Anestesiol Reanim (Engl Ed). 2024 Apr 12:S2341-1929(24)00065-9.
この記事へのコメント