■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/04/18

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【問題1】(麻酔) 麻酔回路について正しいのはどれか?

ア:カニスタの吸着剤の一般的インジケータはエチルバイオレットで新品のときは白である。

イ:Maplesonの回路は患者移動以外で使用されることはまれである。

ウ:ソーダライムは二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムを発生させる。

エ:半閉鎖回路の欠点は、湿度と温度の保持ができないことである。

オ:Mapleson A回路の新鮮ガス流入部と安全弁の位置を入れ替えたものがMapleson B回路である。


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[解説] ア:○:カニスタの吸着剤の一般的インジケータはエチルバイオレットで、新品のときは白、吸着すると紫色に変色する。
イ:○:半開放回路であるMaplesonの回路は患者移動以外で使用されることはまれである。一般的な麻酔器に使用されているのは、半閉鎖回路である。
ウ:○:ソーダライムは二酸化炭素と反応して熱と水と炭酸カルシウムを産生する。
エ:×:湿度と温度の保持ができないことは、半開放回路の欠点である。半閉鎖回路では、低流量の新鮮ガスで使用可能であること、湿度と温度の保持ができることが利点の一つである。
オ:×:Mapleson A回路の新鮮ガス流入部と安全弁の位置を入れ替えたものがMapleson D回路である。MaplesonA回路は自発呼吸では有用であるが、調節呼吸には呼気の再呼吸が大きく不向きである。Mapleson D回路は、この欠点をなくし、調節呼吸でも有用となっている。



[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p129-132



【問題2】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。

(1) (u____________) (a_______) : 非代償性アシドーシス

(2) (r_______________) : 放射線免疫定量/ラジオイムノアッセイ

(3) (m______) (e_____) : 医の倫理/生命倫理

(4) (a______) (s_______) : 水溶液

(5) (r________) (n_________) : 根性神経障害/根性ニューロパチー


[解答]
(1)uncompensated acidosis(2)radioimmunoassay
(3)medical ethics(4)aqueous solution
(5)radicular neuropathy


[出典] 麻酔科学用語集 第3版




【問題3】(溺水・中毒・体温) メタノール・エチレングリコール中毒に対する拮抗薬はどれが適切か?
1) フィゾスチグミン
3) Nアセチルシステイン
5) エタノール
2) PAM、アトロピン
4) メチレンブルー


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[解説] 特殊な中毒と解毒・拮抗薬:(1)青酸化合物→亜硝酸+チオ硫酸 (2)有機リン、カーバメート→硫酸アトロピン、PAM (3)アセトアミノフェン→Nアセチルシステイン (4)メトヘモグロビン血症(アニリン)→メチレンブルー (5)ベンゾジアゼピン→フルマゼニル (6)ジゴキシン、ジギトキシン→ジゴキシン特異抗体 (7)三環系・四環系抗うつ薬→フィゾスチグミン (8)クマリン系殺鼠剤→ビタミンK (9)メタノール・エチレングリコール→エタノール (10)重金属:砒素・水銀・小児鉛脳症→ジメルカプロール(BAL)、鉛(無機鉛)→エデト酸ナトリウム、銅・水銀・亜鉛→ペニシラミン、鉄→デスフェラール


[正解] 5 [出典] 救急認定医診療指診P444





【問題4】(静脈麻酔薬と吸入麻酔薬) 最小肺胞濃度(MAC)を上昇させる因子には↑、低下させる因子には↓をつけよ。
ア:乳児
ウ:妊娠
イ:低体温
エ:高二酸化炭素症

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[解説] 最小肺胞濃度は年齢に関係する。MACは乳児で最も高く、加齢につれ低くなってくる。80歳になると、MACは40%程度も減少する。ハロタンのMACは10度低下すると、約50%減少する。妊娠中はMACは40%程度も減少する。高度の高二酸化炭素症(>100mmHg)、低酸素血症(<40mmHg)、高度の中枢神経系のアシドーシスでMACは低下する。


[正解] ア:↑  イ:↓  ウ:↓  エ:↓ [出典] 麻酔科クリニカル問題集

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