米国における帝王切開分娩時の脊椎麻酔および硬膜外麻酔関連低血圧の管理

・本研究では、帝王切開（c-section）出産時の脊椎麻酔誘発性低血圧の有病率について、既存の治療法とその有効性に焦点を当てて掘り下げている。現在、帝王切開時の疼痛緩和には脊髄幹鎮痛が最も効率的な方法であるが、その主な副作用である低血圧のため、利用可能な治療法の選択肢を十分に理解する必要がある。

・PubMed と Rayyan を用いたスコープレビューが行われ、米国の 35 歳以下の経産婦を対象とした、過去 5 年間の英語の査読付き論文が組み入れ基準とされた。研究により、脊椎麻酔による低血圧を緩和するためのさまざまな治療法が明らかになった。

・ノルエピネフリンとエピネフリンは、分娩後の妊産婦の有害な転帰を減少させながら血圧を維持する有効性が実証されている。ノルエピネフリンの定量注入をフェニレフリンと比較すると、ノルエピネフリンは徐脈の発生率が低く（p=0.004）、アトロピンのボーラス投与（p=0.01）の必要性を減少させた。さらに、帝王切開時のコロイド溶液の使用は、晶質溶液と比較して低血圧の発生率を有意に減少させた（p＜0.00001）。下肢包帯や挙上などの非薬理学的方法では、対照群と比較して収縮期血圧と拡張期血圧が高く、エフェドリンの使用量も多かった。帝王切開時の母体の低血圧を予防する上で、薬理学的治療は非薬理学的介入よりも効果的であることが証明された。

・特に、コロイド前負荷が最も効果的なアプローチとして浮上し、母体の血圧、心拍出量、心拍数を維持するのに役立つと同時に、必要なエフェドリンの量を最小限に抑え、麻酔に関連する副作用を軽減した。しかし、本研究は、コロイド前負荷の至適投与量を調査するためのさらなる調査の必要性を示唆している。本研究は、脊髄幹麻酔誘発性低血圧の問題に対処することによって、帝王切開中の母体の健全性を高めるための貴重な洞察を提供するものである。

ひこ

エピネフリン、ノルエピネフリンと、コロイド前投与が有効で、非薬理学的処置は薬剤投与に劣ると。

【出典】
The Management of Spinal and Epidural Anesthesia-Related Hypotension in the United States During Cesarean Childbirth
Cureus. 2024 Mar 17;16(3):e56340.

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