レミフェンタニル鎮痛と硬膜外鎮痛剤後の分娩における新生児転帰:後ろ向き観察研究
・分娩中の母体の鎮痛法が、特定の薬物への曝露や分娩経過に対する鎮痛の潜在的な影響により、新生児に悪影響を及ぼす可能性があることを示すエビデンスもある。著者らは、分娩中に硬膜外鎮痛(E)またはレミフェンタニル(R)による全身鎮痛を受けた母体から生まれた満期産新生児の臨床転帰を評価した。
・1 年間にわたり後ろ向きにデータを収集した。アプガースコア、新生児合併症(周産期窒息、呼吸困難、感染、高ビリルビン血症、出生時外傷)、平均在院日数のデータを収集した。適宜、マン・ホイットニーのU検定、カイ二乗検定、ロジスティック回帰分析を用いた。
・1 分後と 5 分後のアプガースコアの平均値は、E と R で同程度であった(それぞれ 8.83 vs 8.97、p=0.252;9.81 vs 9.87、p=0.762)。新生児の平均入院期間は群間で差がなかった(4.19 vs. 4; p=0.557)。合併症のあった新生児の割合は群間で同程度であった(28.3% vs 32.5%、p=0.598)。帝王切開分娩(CD)で出生した新生児は、経膣分娩で出生した新生児よりも転帰が有意に不良であった(p=0.008、OR 2.8、95%CI[1.30, 6.17])。
・硬膜外鎮痛を受けた新生児とレミフェンタニル鎮痛を受けた新生児の間で、平均アプガースコアと新生児合併症に統計学的有意差は認められなかった。CD で出生した新生児では合併症の割合が増加した。今後の研究では、サンプルサイズを大きくし、これらの知見における関連性を検出できる能力を有するべきである。
・1 年間にわたり後ろ向きにデータを収集した。アプガースコア、新生児合併症(周産期窒息、呼吸困難、感染、高ビリルビン血症、出生時外傷)、平均在院日数のデータを収集した。適宜、マン・ホイットニーのU検定、カイ二乗検定、ロジスティック回帰分析を用いた。
・1 分後と 5 分後のアプガースコアの平均値は、E と R で同程度であった(それぞれ 8.83 vs 8.97、p=0.252;9.81 vs 9.87、p=0.762)。新生児の平均入院期間は群間で差がなかった(4.19 vs. 4; p=0.557)。合併症のあった新生児の割合は群間で同程度であった(28.3% vs 32.5%、p=0.598)。帝王切開分娩(CD)で出生した新生児は、経膣分娩で出生した新生児よりも転帰が有意に不良であった(p=0.008、OR 2.8、95%CI[1.30, 6.17])。
・硬膜外鎮痛を受けた新生児とレミフェンタニル鎮痛を受けた新生児の間で、平均アプガースコアと新生児合併症に統計学的有意差は認められなかった。CD で出生した新生児では合併症の割合が増加した。今後の研究では、サンプルサイズを大きくし、これらの知見における関連性を検出できる能力を有するべきである。
ひこ
レミフェンタニル鎮痛でも、新生児の転帰に硬膜外鎮痛に劣らないようだ。帝王切開では経腟分娩よりも新生児の転帰は劣るのか。
【出典】
Neonatal Outcomes in Labor After Intravenous Remifentanil Analgesia vs. Epidural Analgesia: A Retrospective Observational Study
Cureus. 2024 Mar 17;16(3):e56327.
Neonatal Outcomes in Labor After Intravenous Remifentanil Analgesia vs. Epidural Analgesia: A Retrospective Observational Study
Cureus. 2024 Mar 17;16(3):e56327.
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