■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/04/24
【問題1】(局所麻酔薬) 局所麻酔薬中毒について正しい記述はどれか。 | ア:ブピバカインによる心停止は、蘇生が困難なことがある。 イ:椎骨動脈に0.5mlの局所麻酔薬を注入すると、直ちに痙攣、意識消失が起こる。 ウ:中枢神経系中毒は、高二酸化炭素症があると増強される。 エ:通常は、中枢神経系の徴候が心血管系の徴候より先に出現する。 |
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[解説] 局所麻酔薬濃度が徐々に上昇してきた場合、まず中枢神経系の興奮症状が現れ、さらに進行すると意識消失、呼吸停止といった抑制症状が現れる。中枢神経系の徴候のほうが、心血管系の徴候に先行する。星状神経節ブロックの際に、誤って局所麻酔薬を椎骨動脈にわずかでも注入すると、ただちに痙攣、意識消失が起こる。
[正解] (全て) [出典] 麻酔科クリニカル問題集
【問題2】(術前管理) 患者の術前評価で正しいのはどれか。 | ア:肥満患者では、胃液量が増加し、胃液酸度が高い。 イ:NYHAによる心機能の評価では年齢が重要な因子の一つである。 ウ:高齢者では、closing capacity より機能的残気量の方が常に大きい。 エ:甲状腺機能低下症では、鎮静薬の作用は正常人とほとんど変わらない。 オ:拘束性換気障害では、1秒率(FEV1.0%)が70%以下である。 |
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[解説] 肥満患者では、胃液量が増加し、胃液酸度が高い。NYHAによる心機能の評価は、活動制限、および症状(疲れ、動悸、息切れ、狭心症)によって行われる。坐位では65〜74際、仰臥位では44〜45歳で、closing capacty ≧機能的残気量となる。甲状腺機能低下症では、薬物の分布及び代謝が遅延しているので、鎮静薬の作用時間は延長し、全ての麻酔薬は減量すべきであると言われている。拘束性換気障害では、%肺活量≦80%である。1秒率≦70%は閉塞性換気障害と言う。
[正解] (ア) [出典] 第29回麻酔指導医認定筆記試験:B3
【問題3】(酸素運搬) 誤りはどれか。 | ア:一酸化炭素がヘモグロビンと結合する力は酸素の200倍以上である。 イ:肺胞におけるガス拡散能の測定には一酸化炭素が用いられる。 ウ:1モルのヘモグロビンは4モルの酸素と結合しうる。 エ:1気圧、FIO2=1.0では動脈血中溶存酸素は、1.4vol%以下である。 オ:PaO2が80mmHgの場合PaCO2が上昇すると酸素含有量は減少する。 |
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[解説] 一酸化炭素とヘモグロビンとの親和性は酸素より210倍以上強い。肺胞におけるガス拡散能の測定には一酸化炭素が用いられる。1モルのヘモグロビンは4モルの酸素と結合しうる。1気圧、FIO2では動脈血中溶存酸素は、0.003×PaO2(通常、肺の状態が良ければ、500以上)=1.5vol%以上である。動脈血二酸化炭素分圧が上昇すると、酸素解離曲線が右方移動し、おなじ酸素分圧でもHbの酸素飽和度は低下するので、酸素含有量は減少する。
[正解] (エ) [出典] 第33回麻酔指導医認定筆記試験:A5
■ Top 100 Secrets ■ Appropriate dosing of intravenous anesthetics requires considering intravascular volume status,comorbidities,age,and medications. |
[Words & Phrases]
[出典]Anesthesia Secrets 3rd Edition
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