肥満女性患者における脊椎麻酔後の腰痛:正中アプローチと傍正中アプローチの比較

肥満女性の腰痛2.png脊椎麻酔の副作用として硬膜穿刺後腰痛(PDPB)があり、これは脊髄穿刺部位の継続的な不快感によって特徴づけられるが、神経根痛はない。本研究の目的は、肥満の女性患者を対象に、脊椎麻酔後の硬膜穿刺後背部痛の発生率と重症度を、正中法と傍正中法で比較することである。

脊椎麻酔による待機的手術を予定している BMI 30〜40kg/m2、ASA-PS II の年齢 20〜50 歳の女性患者 120 人を対象とした前向き無作為比較試験を行った。患者は無作為に 2 群に分けられ、各群 60 人ずつであった。P 群では脊椎麻酔に傍正中線アプローチを用い、M 群では脊椎麻酔に正中線アプローチを用いた。

腰痛発生率は 7 日後では P 群の方が M 群より低かったが、1 ヵ月後以降では両群とも変わらなかった。痛みの重症度に差は認められなかった。

術後 7 日目における背部痛の発生頻度は、正中アプローチで有意に高かった。痛みの重症度は、7 日目から経過観察 3 ヵ月までの経過とともに減少した。術後 7 日目から 3 ヵ月後までの経過観察では、いずれのアプローチでも疼痛の重症度に差はなかった。

硬膜穿刺後腰痛は、正中アプローチの方が発生率が高いと。

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