■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/04/26
【問題1】(呼吸) 気道管理について正しいのはどれか? | ア:上喉頭神経外枝は、声帯の緊張を高める後輪状披裂筋の運動をつかさどる。 イ:「PaCO2>55mmHg(慢性呼吸不全患者を除く)」は、気管挿管の客観的基準のひとつである。 ウ:オリジナルのMallanpati分類は5分類であった。 エ:上喉頭神経は迷走神経の分枝である。 オ:声帯の唯一の外転筋は、後輪状披裂筋である。 |
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[解説] ア:×:上喉頭神経外枝は、声帯の緊張を高める輪状甲状筋の運動をつかさどる。
イ:○:「PaCO2>55mmHg(慢性呼吸不全患者を除く)」は、気管挿管の客観的基準のひとつである。
ウ:×:オリジナルのMallanpati分類は3分類であった。その後、Samsoon and Youngによって4分類に変更された。近年、開口状態で喉頭蓋が見える場合をClass 0として5分類する場合もある。
エ:○:上喉頭神経は迷走神経の分枝である。内外の2枝に分かれ外枝は主として運動性、内枝は知覚性である。
オ:○:声帯の唯一の外転筋は、後輪状披裂筋である。
[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p48-56
【問題2】(酸塩基平衡) 酸塩基平衡で誤りはどれか? | ア:pH7.4ではリン酸系は炭酸系より緩衝能力が大きい。 イ:アシドーシスではアニオンギャップは増大する。 ウ:pH7.4では血漿蛋白は陽性に荷電する。 エ:血中カリウム欠乏では尿はアルカリ性に傾く。 オ:二酸化炭素は大部分炭酸水素ナトリウムとして肺へ運ばれる。 |
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[解説] 炭酸系の解離指数は6.1であり、pH7.4では緩衝能力は効率的ではない。リン酸系は解離指数6.8であるから、pH7.4では酸と塩基に等量に解離し、緩衝能力は炭酸系に勝る。しかし、量的に後者は前者の1/6とはるかに少なく、血液緩衝能力の2〜5%に関与するに過ぎない。アシドーシスがあっても必ずしもアニオンギャップは増大しない。pH7.4では血漿蛋白は陰性に荷電する。血中カリウム欠乏では水素イオンの尿中分泌が多くなり(尿は酸性に傾く=奇異性酸性尿)代謝性アルカローシスに傾く。二酸化炭素は大部分炭酸水素イオンとして肺へ運ばれる。
[正解] (ア)、(イ)、(ウ)、(オ) [出典] 第34回麻酔指導医認定筆記試験:A22
【問題3】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。 | (1) (e_______) (s____) : 硬膜外腔 (2) (___________a) : 等張尿 (3) (a_____) (b___________) : 大動脈圧受容体 (4) (r__________) (r_________) : 呼吸抵抗 (5) (v_______________) : 血管収縮 |
[解答]
(1)epidural space | (2)isosthenuria |
(3)aortic baroreceptor | (4)respiratory resistance |
(5)vasoconstriction |
[出典] 麻酔科学用語集 第3版
【問題4】(溺水・中毒・体温) アルコールは胃から何パーセントくらいが吸収されるか? | 1) 90%以上 4) 80% | 2) 5% 5) 20% | 3) 40% |
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[解説] エチルアルコールは胃からも吸収されるため、飲酒数分後には血中アルコール濃度が上昇してくる。胃からどの程度が吸収されるか、また血中アルコールのレベルがどの程度上昇するかは、摂取したアルコールの濃度、量、胃内容状況、体重などにより異なるが、約20%が胃で吸収されるという。
[正解] 5 [出典] 救急医学増刊「外傷」P46
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