■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/04/30
【問題1】(麻酔薬) 吸入麻酔薬について正しいのはどれか? | ア:慢性アルコール中毒ではMACは低下する。 イ:甲状腺機能はMACに影響しない。 ウ:低ナトリウム血症ではMACは低下する。 エ:吸入麻酔薬による呼吸抑制では用量依存性に1回換気量が減少する。 オ:ハロタンは、ハロゲン元素として臭素原子を含んでいる。 |
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[解説] ×:急性アルコール中毒ではMACは低下する。逆に慢性アルコール中毒では、MACは上昇する。
○:甲状腺機能はMACに影響しない。
○:低ナトリウム血症ではMACは低下する。高度の低ナトリウム血症はそれ自体意識障害の原因となる。
○:吸入麻酔薬による呼吸抑制では用量依存性に1回換気量が減少する。延髄の呼吸中枢に対する直接作用と、肋間筋など呼吸筋に対する筋弛緩作用による換気抑制が原因である。
○:ハロタンは、ハロゲン元素としてフッ素、塩素、臭素を含んでいる。エンフルラン、イソフルランは臭素は含まず塩素とフッ素のみを、セボフルラン、デスフルランはフッ素のみを含む。
[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p65-71
【問題2】(血管手術の麻酔) 頚動脈内膜摘除術について正しい記述はどれか。 | ア:手術後の早期死亡の原因で最も多いのは脳梗塞である。 イ:頚動脈遮断時に脳波の一側性徐波化がみられたらシャントをおく。 ウ:術中は、脳血管拡張のために高二酸化炭素症とする。 エ:脳波異常を起こす脳血流量は、イソフルランによる麻酔のほうがハロタンによる麻酔より少ない。 |
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[解説] 頚動脈内膜摘除術の死亡の25−60%は心筋梗塞によるものである。脳梗塞の頻度は5−10%程度である。
[正解] (イ)、(エ) [出典] 麻酔科クリニカル問題集
【問題3】(自律神経) 次のうち正しいのはどれか。 | ア:心拍の動揺成分にはパワースペクトル解析から主に2つの成分が確認されている。 イ:心拍動揺の低周波成分は、副交感・交感両神経が関与している。 ウ:心拍動揺の高周波成分は、心拍数の呼吸性変動と呼ばれ迷走神経活動を反映する。 エ:麻酔を深くすると心拍動揺は減少する。 |
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[解説] 心拍の動揺成分にはパワースペクトル解析から主に2つの成分が確認されている。しなわち交感神経と副交感神経の両者が関与する低周波数成分と、副交感神経のみに支配される高周波数成分である。高周波数成分の動揺は呼吸に伴うものでrespiratory arrythmia(RSA:心拍数の呼吸性変動:呼吸性不整脈)と呼び、心臓の迷走神経による調節の選択的指標と考えられてきた。またRSAにより脳幹の孤束核で進行する自律神経活動度を推測できるとも考えられている。RSAにより麻酔深度を測定でする試みが研究されている。麻酔を深くすると心拍動揺は減少する。
[正解] 全て [出典] ANESTHESIA ANTENNA No28-p1
■ これって常識? ■ 吐血の患者をみたら,本当に吐血か否かを確かめよ! |
鼻腔や口腔からの出血,あるいは喀血の可能性も考える.
[出典] 知っているつもりの内科レジデントの常識非常識 第3章 378の常識〜消化器編
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