大腸癌切除後患者の予後に対する異なる麻酔法の影響:系統的レビューとメタ分析

結腸癌3.png・全静脈麻酔(TIVA)と吸入麻酔(IA)が大腸癌切除後患者の予後に及ぼす影響については議論がある。本研究の目的は、大腸癌の術後予後に及ぼす異なる麻酔法の影響を探ることである。

・PubMed、Embase、Cochrane Library の各データベースで、創始時点から 2023 年 11 月 18 日までの関連文献を検索した。文献のテーマは、大腸癌切除術を受けた患者の予後に及ぼす TIVA と IA の効果を比較することであった。

6 件の研究がメタ分析の対象として選択された。これらの研究は 111043 人の患者を対象としており、試験規模は 1001-88184 人であった。TIVA と IA を投与された大腸癌患者の全生存期間(OS)には統計学的に有意な差が認められたが(ハザード比[HR]、0.83;95% 信頼区間[CI]、0.70-0.99)、無再発生存期間(RFS)には差は認められなかった(HR 0.99;95%CI、0.90-1.08)。OS のサブ群解析では、アジアでは TIVA と IA を投与された大腸癌患者の間に統計学的に有意な差は認められず(HR、0.77;95%CI、0.57-1.05)、ヨーロッパでも認められなかった(HR、0.99;95%CI、0.93-1.06)。腫瘍部位については、結腸、直腸、大腸では TIVA と IA との間に有意な関連は認められなかった(それぞれ(HR、0.70;95%CI、0.38-1.28)、(HR、0.95;95%CI、0.83-1.08)、(HR、0.99;95%CI、0.93-1.06))。

大腸癌切除時に TIVA を投与した患者と IA を投与した患者では OS に有意差がみられたが、RFS には差はみられなかった。TIVA と IA の予後効果は異なっていた。

大腸癌患者の全生存期間は、吸入麻酔よりも全静脈麻酔の方が長かったと、本当に!?

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