■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/05/07
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【問題1】(呼吸) 新生児の安静時の呼吸回数は毎分何回か? | 1) 12回/分 3) 40回/分 5) 50回/分 | 2) 20回/分 4) 30回/分 |
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[解説] 新生児の安静時の呼吸数は、成人の2倍(約40回/min)である。新生児の体重当たりの酸素消費量は成人の約2倍である。肺胞換気量と心拍出量も2倍必要となる。これに対応して心拍数(120/min)も呼吸数(40/min)も成人のほぼ2倍である。1回換気量、1回心拍出量を増加させる能力が小さいので、呼吸数と心拍数の増加でまかなっている。
[正解] 3 [出典] クリティカル記憶術1P263
【問題2】(脊椎麻酔) 脊椎麻酔について正しいのはどれか。 | ア:麻酔後の脳神経障害で最も多いのは、聴神経障害である。 イ:麻酔に必要な局所麻酔薬量は体重に比例する。 ウ:小腸の蠕動は亢進しない。 エ:膵臓の島細胞からの、インスリンの放出量は増加する。 オ:低血圧の原因は、交感神経節前線維がブロックされるためである。 |
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[解説] 脊麻後脳神経障害で最多は、外転神経麻痺で、複視、麻痺性内斜視が主症状である。使用量と身長との関係は、麻痺レベルを決定する唯一のものではないが、使用量のおおよその目安にはなる。副交感神経優位により腸管の収縮と蠕動亢進が起こり、腸管は小さくなる。高位胸髄神経(Th2〜6)に麻酔効果を及ぼさない局所麻酔は、血漿中インスリン値に影響を及ぼさない。低血圧の原因は、交感神経節前線維が遮断され、細動脈の血管運動神経麻痺から末梢血管抵抗が減少すること、細静脈の血管運動神経麻痺から細静脈系拡張・血液プーリングが起こり、心臓への静脈還流が減少するためである。
[正解] (オ) [出典] 第29回麻酔指導医認定筆記試験:B21
【問題3】(麻酔科学用語) 以下の略語のフルスペルと意味を答えよ。 | ||||
(1) POS | (2) MEF | (3) SV | (4) RAD | (5) ACT |
[解答]
(1)problem-oriented system:問題指向型システム
(2)maximal expiratory flow:最大呼気流量
(3)stroke volume:1回拍出量
(4)right axis deviation:右軸偏位
(5)activated clotting time:活性凝固時間
[出典] 麻酔科学用語集 第3版
【問題4】(輸血) 自己血輸血について正しい記述はどれか。 | ア:術前採血は術前72時間以内にはするべきではない。 イ:術中に回収し処理して得られた血液は血漿成分を含まない ウ:悪性腫瘍手術では術中血液の回収は禁忌である。 エ:心臓手術後に心嚢ドレーンから引けてきた血液はフィルタを通して輸血することができる。 |
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[解説] 悪性腫瘍手術や術野に感染症のある手術での術中血液回収は禁忌である。整形外科手術のように脂肪が多い場合には十分な洗浄が必要である。
[正解] (全て) [出典] 麻酔科クリニカル問題集
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