機械的人工呼吸を必要とする敗血症の予後に対する高用量ビタミン D と低用量ビタミン D の成績:無作為比較試験
・敗血症の重症患者はビタミン D 欠乏症の発生率が高い。ビタミン D は自然免疫系の一部である LL-37 の前駆体であるヒトカテリシジン抗菌ペプチドの合成を促進する。本研究では、機械的人工呼吸(MV)を必要とする敗血症患者において、低用量ビタミン D3 と比較して、高用量ビタミン D3 の早期経腸投与の有効性と安全性を検討した。
・ビタミン D 欠乏が明らかな MV を必要とする敗血症の成人患者 80 例を、経腸的に 50,000 IU(I 群)または 5,000 IU(II 群)のビタミン D 補給を受ける群に無作為に割り付けた。ベースライン時および 4 日目と 7 日目に、臨床検査パラメータが試験群間で評価された。7 日目の血清プロカルシトニン(PCT)値の変化を主要評価項目とし、7 日目の血清 LL-37 値の変化、多臓器不全評価(SOFA)スコアの変化、7 日目の臨床肺感染スコア、MV 期間、入院期間(LOS)を副次評価項目とした。
・血清 PCT および LL-37 値の(7 日目- 0 日目の)変化と SOFAスコアは、I 群で有意差があった(それぞれ、P=0.010、P<0.001、P<0.001)。SOFA スコアは I 群で 4 日目と 7 日目に有意差がみられた(それぞれP<0.001と P<0.001)。早期の人工呼吸器関連肺炎の発生率は、両治療群間で有意差があった(P=0.025)。入院期間は I 群で短かった(P<0.001)。いずれの群でも 25-ヒドロキシビタミン-D の毒性は認められなかった。
・MV を必要とする敗血症の重症患者において、敗血症の標準治療とともに高用量ビタミン D3 を早期に経腸投与すると、血清プロカルシトニン濃度が低下し、血清 LL-37 濃度が上昇し、重症度スコアが改善した。
・ビタミン D 欠乏が明らかな MV を必要とする敗血症の成人患者 80 例を、経腸的に 50,000 IU(I 群)または 5,000 IU(II 群)のビタミン D 補給を受ける群に無作為に割り付けた。ベースライン時および 4 日目と 7 日目に、臨床検査パラメータが試験群間で評価された。7 日目の血清プロカルシトニン(PCT)値の変化を主要評価項目とし、7 日目の血清 LL-37 値の変化、多臓器不全評価(SOFA)スコアの変化、7 日目の臨床肺感染スコア、MV 期間、入院期間(LOS)を副次評価項目とした。
・血清 PCT および LL-37 値の(7 日目- 0 日目の)変化と SOFAスコアは、I 群で有意差があった(それぞれ、P=0.010、P<0.001、P<0.001)。SOFA スコアは I 群で 4 日目と 7 日目に有意差がみられた(それぞれP<0.001と P<0.001)。早期の人工呼吸器関連肺炎の発生率は、両治療群間で有意差があった(P=0.025)。入院期間は I 群で短かった(P<0.001)。いずれの群でも 25-ヒドロキシビタミン-D の毒性は認められなかった。
・MV を必要とする敗血症の重症患者において、敗血症の標準治療とともに高用量ビタミン D3 を早期に経腸投与すると、血清プロカルシトニン濃度が低下し、血清 LL-37 濃度が上昇し、重症度スコアが改善した。
ひこ
人工呼吸を必要とする重症敗血症患者に高用量ビタミンD を投与すると予後が改善すると。
【出典】
Outcomes of High-Dose Versus Low-Dose Vitamin D on Prognosis of Sepsis Requiring Mechanical Ventilation: A Randomized Controlled Trial
J Intensive Care Med. 2024 May 5:8850666241250319.
Outcomes of High-Dose Versus Low-Dose Vitamin D on Prognosis of Sepsis Requiring Mechanical Ventilation: A Randomized Controlled Trial
J Intensive Care Med. 2024 May 5:8850666241250319.
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