■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/05/09
【問題1】(溺水・中毒・体温) 筋力低下や呼吸麻痺をきたす原因が神経筋接合部と関係ないものはどれか? | 1) 重症筋無力症 3) フグ中毒 5) 有機リン中毒 | 2) ボツリヌス中毒 4) ギラン・バレー症候群 |
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[解説] 有機リン中毒では、アセチルコリンを分解するコリンエステラーゼが阻害され、アセチルコリンが蓄積するためコリン作動性神経が過剰刺激状態となる。ムスカリン様作用(=副交感神経刺激症状)+ニコチン様作用(=交感神経刺激作用)+運動神経麻痺.ボツリヌス中毒ではClostridium botulinumの菌体外毒素がアセチルコリンの遊離を抑制して筋の麻痺をきたす。ふぐ中毒ではテトロドトキシンが神経の刺激伝導を遮断し筋麻痺をきたす。重症筋無力症では、神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する抗体が産生されるとともに、リンパ球が受容体を攻撃して受容体のか数が減少して神経筋伝達が障害される。ギラン・バレー症候群では、異常免疫反応によるアレルギー性・炎症性病変が、末梢神経系のとくに神経根および近位部神経束に生じる。髄鞘崩壊による節性脱髄が主病変である。
[正解] 4 [出典]
【問題2】(腹部手術の麻酔) 体液の異常について正しい記述はどれか。 | ア:胃液の吸引により代謝性アルカローシスが起きる。 イ:下痢が続くと代謝性アシドーシスとなる。 ウ:フロセミドの慢性投与で代謝性アルカローシスが起こる。 エ:アセタゾラミド投与では代謝性アルカローシスが起こる。 |
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[解説] 嘔吐、胃液の吸引では、代謝性アルカローシスが起こる。アセタゾラミド投与では、代謝性アシドーシスが起こる。
[正解] (ア)、(イ)、(ウ) [出典] 麻酔科クリニカル問題集
【問題3】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。 | (1) (h______________) : 心気症 (2) (t_______) : 投射痛/関連痛 (3) (p_________) (s_____) : くしゃみ発作 (4) (f____) (h_________) : 胎児ヘモグロビン (5) (e_________) (v____) : 呼気弁 |
[解答]
(1)hypochondriasis | (2)telalgia |
(3)paroxysmal sneeze | (4)fetal hemoglobin |
(5)expiratory valve |
[出典] 麻酔科学用語集 第3版
【問題4】(肝・腎・消化管) 次の利尿剤のうち、効果発現が最も遅く、効果持続が最も長い薬物はどれか? | 1) アミノフィリンン 3) スピロノラクトン 5) ドーパミン | 2) マンニトール 4) フロセミド |
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[解説] スピロノラクトンは遠位尿細管に作用するカリウム保持性の利尿剤で、効果発現は数時間〜数日と遅く、また持続は2〜3日と長い。他の薬剤は静注で使用した場合、すべて1時間以内に効果発現する。
[正解] 3 [出典] 危機管理P146
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