肥満の待機的帝王切開患者における子宮緊張維持のためのオキシトシン注入の用量反応:無作為化比較試験
・帝王切開分娩(CD)において、初回ボーラス投与するオキシトシンの 90% 有効量(ED90)は確立されている。子宮緊張(UT)を適切に保つために、待機的帝王切開を受ける肥満女性にどのくらいの量のオキシトシンを注入すればよいかはまだわかっていない。そこで、待機的 CD を受ける肥満女性において、初回1国際単位(IU)ボーラス後のオキシトシン注入の用量反応曲線がどのように変化するかを明らかにすることを目的とした。
・肥満度(BMI)が 30kg/m2 を超える分娩患者 100 人を、オキシトシンの注入速度を 14、18、22、26IU/h のいずれかに無作為に割り付けた。子宮の触診が額や鼻先を触る程度の硬さであれば、産科医が用いる基準によれば十分な UT と考えられる。有効量の中央値(ED50) および ED90 値はプロビット分析を用いて決定した。
・オキシトシンの注入量に対する ED50 と ED90 の値は、それぞれ約 11.0 IU/h と 19.1 IU/h であった。各群で、応急的オキシトシン投与を必要とした分娩患者の数は異なっており、14 IU/h では 6 人、18 IU/h では 3 人、22 IU/h では 1 人、26 IU/h では 0 人であった。応急的オキシトシン投与の頻度と子宮弛緩症回避に必要なオキシトシン注入量との相関は統計学的に有意であった(p=0.02)。
・本研究により、待機的 CD を受ける肥満の分娩患者に対する最も効果的なオキシトシン注入量は、初回負荷量 1IU の後、19.1IU/h であることが示された。肥満のある患者には、より多量の予防的オキシトシンを投与すべきであり、肥満のある患者とない患者(BMIが高い患者)を比較したさらなる研究が必要である。
・肥満度(BMI)が 30kg/m2 を超える分娩患者 100 人を、オキシトシンの注入速度を 14、18、22、26IU/h のいずれかに無作為に割り付けた。子宮の触診が額や鼻先を触る程度の硬さであれば、産科医が用いる基準によれば十分な UT と考えられる。有効量の中央値(ED50) および ED90 値はプロビット分析を用いて決定した。
・オキシトシンの注入量に対する ED50 と ED90 の値は、それぞれ約 11.0 IU/h と 19.1 IU/h であった。各群で、応急的オキシトシン投与を必要とした分娩患者の数は異なっており、14 IU/h では 6 人、18 IU/h では 3 人、22 IU/h では 1 人、26 IU/h では 0 人であった。応急的オキシトシン投与の頻度と子宮弛緩症回避に必要なオキシトシン注入量との相関は統計学的に有意であった(p=0.02)。
・本研究により、待機的 CD を受ける肥満の分娩患者に対する最も効果的なオキシトシン注入量は、初回負荷量 1IU の後、19.1IU/h であることが示された。肥満のある患者には、より多量の予防的オキシトシンを投与すべきであり、肥満のある患者とない患者(BMIが高い患者)を比較したさらなる研究が必要である。
ひこ
肥満妊婦(BMI>30)に対する帝王切開時の子宮緊張維持のために必要はオキシトシンの持続投与量は 19.1 IU/h であると。
【出典】
Oxytocin infusion dose-response to maintain uterine tone in obese elective cesarean patients: a randomized controlled trial
Front Pharmacol. 2024 Apr 17:15:1361953.
Oxytocin infusion dose-response to maintain uterine tone in obese elective cesarean patients: a randomized controlled trial
Front Pharmacol. 2024 Apr 17:15:1361953.
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