■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/05/10
【問題1】(呼吸) 安静時の混合静脈血酸素含量(CvO2)はヘモグロビン値が15g/dlの時、どれくらいか? | 1) 15ml/dl 4) 5ml/dl | 2) 20ml/dl 5) 25ml/dl | 3) 10ml/dl |
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[解説] 安静時の混合静脈血酸素飽和度は75%(PaO2=40mmHg)程度である。したがって混合静脈血酸素含量(CvO2)はヘモグロビン値が15g/dlの時、15×1.36×0.75+0.0031×40=15ml
[正解] 1 [出典] クリティカル記憶術1P117
【問題2】(心臓・血管) 腹部大動脈瘤手術の麻酔について正しいのはどれか? | ア:未コントロールのうっ血性心不全のある腹部大動脈瘤手術症例の死亡率は50%である。 イ:腹部大動脈瘤は6cm以上に拡大すると破裂の危険性が高くなる。 ウ:大動脈遮断中は、容量負荷は控えるべきである。 エ:術後心筋梗塞の発生のピークは術後の約72時間である。 オ:腹部大動脈瘤の70%は腎動脈を含む。 |
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[解説] ア:×:未コントロールのうっ血性心不全があって、S3ギャロップや頚静脈の怒張を認める患者が腹部大動脈瘤手術を受けた場合、その死亡率は20%である。
イ:○:腹部大動脈瘤は6cm以上に拡大すると破裂の危険性が高くなる。一般的には4〜5cm以上に拡大すると手術適応である。
ウ:×:大動脈遮断部以下の血管床は最大限に拡張しており、遮断解除によって末梢血管抵抗が下がるために、急激な血圧の低下が生じる。遮断解除までに十分な輸液負荷を行うことが重要である。
エ:○:術後心筋梗塞の発生のピークは術後の約72時間である。おそらく術中にサードスペースに移行した輸液が血管内に戻ってくることが関係しており、うっ血性心不全や心筋虚血につながる可能性がある。
オ:×:腹部大動脈瘤の70%は腎動脈下である。30%が腎動脈を含む。
[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p258-262
【問題3】(中枢神経) 脳死と判定するためには最低( )導出で、( )分間にわたり記録し、脳波が平坦であることが必要である。 | 1) 2、40 4) 2、20 | 2) 2、60 5) 4、30 | 3) 4、120 |
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[解説] 脳死と判定するためには最低4導出で、30分間にわたり記録し、脳波が平坦であることが必要である。
[正解] 5 [出典] 救急認定医診療指診p252
【問題4】(心臓・血管) 肺塞栓症の原因で最も多いのは下肢深在静脈血栓であるが、どれくらいの割合か? | 1) 80パーセント 3) 60パーセント 5) 30パーセント | 2) 90パーセント以上 4) 40パーセント |
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[解説] 肺塞栓症の原因の90%は下肢骨盤腔内の静脈血栓による塞栓である。血流停滞、静脈壁の病変、血液凝固能の亢進で促進される。したがって、安静臥床、うっ血性心不全、静脈瘤、悪性腫瘍、老人、外科手術などが危険因子となる。高齢者では悪性腫瘍による広範な腹部、骨盤の手術および下肢の手術では、肺塞栓の発症する可能性が特に高い。術中、術後を通じて常に念頭においておかねばならない。外傷患者でも、長管骨骨折では広範に肺脂肪塞栓を起こし、ショックとなりうる。
[正解] 2 [出典] クリティカル記憶術1p181
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