腹腔鏡下胆嚢摘出術における硫酸マグネシウムの静脈内注射が術中の呼気終末 CO<sub>2</sub> 濃度と術後痛に及ぼす影響

マグネシウム5.png・疼痛コントロールと血行動態指標の安定化は、特に麻酔における重大な医学的課題である。腹腔鏡手術は世界的に増加しており、胆嚢摘出術も例外ではない。本研究では、腹腔鏡下胆嚢摘出術において、硫酸マグネシウムの静脈内投与が術中の呼気終末 CO2(ETCO2)濃度と術後痛に及ぼす影響を検討した。

・これは臨床試験である。サンプルサイズは 64 人と計算され、腹腔鏡手術の候補となった患者の中から 便宜的抽出により選択された。無作為に介入群と対照群に割り付けた。介入群には硫酸マグネシウム(50mg/kg)と生食(100mL)を 1 時間以内に投与し、対照群には生食(100mL)のみを投与した。収縮期および拡張期血圧、ETCO2 値、心拍数、動脈血酸素飽和度、疼痛レベル、回復期の麻薬性鎮痛剤消費量を術後 2、6、12、24 時間後に調査した。データは一元配置分散分析(ANOVA)と反復測定分析を用いて分析した。

介入群の回復期の収縮期血圧と ETCO2 の平均値は対照群より低かった(P=0.029 および P=0.015)。介入群では、回復期および術後 6 時間の鎮痛剤消費量が対照群より少なかった(P<0.001)。回復期および術後 2 時間、6 時間(P<0.001)、12 時間(P=0.038)における介入群の平均疼痛スコアは、対照群よりも有意に低かった。

硫酸マグネシウムは、術後疼痛を軽減し、麻薬の使用量を減らすための適切かつ安全な補助薬となりうる。今回の結論は、より大規模な患者を対象に、術後疼痛のモニタリングを長期にわたって行いながら検討されるべきである。

マグネシウムによって全身の筋緊張や血管緊張度が和らげられ、術後鎮痛にも有効となれば、積極的に使用しても良いのかな。

この記事へのコメント