LEMON 基準による気道検査と IDS 基準による気管挿管の難易度の関係

LEMON.png・気管挿管は患者の気道確保に用いられる一般的手技であり、麻酔において極めて重要である。気管挿管の成功は、手技前の患者の気道評価を含む様々な要因に左右される。近年、LEMON(気道の外観評価、歯科的問題の有無、Mallampati 分類の評価、気道閉塞の評価、頸部の可動性の検討の頭文字をとったもの)や挿管困難度スケール(IDS)などのスコアリングシステムが注目されている。本研究は、気管挿管における LEMON 基準と IDS の関係を調査することを目的とした。その目的は、臨床データを分析し、患者の転帰を評価し、これらのスコアリングシステム間の整合性を評価することにより、医療従事者が気道管理へのアプローチを最適化する際に役立つ貴重な知見を提供することであった。

・本研究は、挿管を必要とする患者群を対象とした記述分析的研究に基づくものである。本研究では、年齢が 19〜60 歳で、喉頭癌、顎関節のこわばり、著しい舌肥大などの特定の基礎疾患がなく、肥満指数(BMI)<40kg/m2 の、待機的手術が予定されている 105 人の患者を調査した。最初に、専門の麻酔科医が LEMON 基準を用いて患者を評価し、次に IDS スコアリングシステムを用いて挿管困難の程度を測定した。最後に、これら 2 つの基準を比較した。

・本研究では、LEMON スコアと IDS スコアの間に有意な相関がみられた(P<0.001)。挿管困難群(IDS スコア>0)は、挿管困難でない群(IDSスコア=が0)より LEMON スコアが高かった(最高スコアは 4)(P=0.017)。平均 LEMON スコアは 3.11 点、IDS スコアは 1.35 点であった。参加者のうち 96.2% は挿管困難スコア≦5 であったが、3.8%は ≧5 であった。さらに、頸部可動域制限が挿管困難の唯一の独立予測因子として浮上した(P=0.002、オッズ比 = 6.152)。

LEMON スコアは挿管を必要とする成人患者における挿管困難と関連している。

LEMON スコアと IDS(挿管困難スケール)は相関していると。この研究では、各予測因子の気道評価スコアが合計されて、0~10 点の「LEMON」スコアを使用している。

LEMONの法則スコア.png

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