■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/05/14
【問題1】(心臓・血管) 心エコーのモードで、関心領域内の血流の情報が得られ,異常な血流を容易に指摘することが可能なのはどれか? | 1) パルスドップラー法 3) Mモード法 5) カラードップラー法 | 2) 連続波ドップラー法 4) Bモード法(断層法) |
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[解説] 心エコーの各種モードの中で、断層法(Bモード法)は解剖学的構造を2次元で描写できる。Mモード法は断層画像上にサンプリングカーソルを設定し,縦軸に断層像のカーソル上の反射を輝度変調し、また横軸に時間軸として一定速度で走査して表示する。Mモード法は対象物の動きや時間変化に伴う状態を観察するのに適しており,さらに心機能評価における一回拍出量、心拍出量、駆出率の測定にも用いられる。パルスドプラ法は、送信波をある長さのパルス波として間欠的に送受信を行う手法である.この方法は断層像で目的の部位にサンプリングボリュームを設定することにより任意の位置の血流信号を捉えることができる。連続波ドプラ法は超音波の送信と受信をそれぞれ専用の振動子を用い、連続的に送受信を行うことにより,パルスドプラ法で測定困難な高速の血流信号測定が可能である。カラードプラ法は、パルスドプラ法を利用して血流速度を求め、二次元な速度分布を画像として、断層像上に流速、血流の方向、周波数の分散の血流情報をカラー表示する方法で、異常な血流を容易に指摘することが可能である。
[正解] 5 [出典]
【問題2】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。 | (1) (c_______) (s______) : 帝王切開 (2) (b_____) (g____) : バイパス移植/バイパスグラフト (3) (__________g) : 再呼吸 (4) (____________a) : 顔面筋麻痺 (5) (i__________) (p_______) : 眼圧 |
[解答]
(1)cesarean section | (2)bypass graft |
(3)rebreathing | (4)prosopoplegia |
(5)intraocular pressure |
[出典] 麻酔科学用語集 第3版
【問題3】(中枢神経) 細菌性髄膜炎の起炎菌としてインフルエンザ菌が想定される場合には抗生剤はどれを選択するか? | 1) セフトリアキソン(ロセフィン) 3) バンコマイシン 5) ゲンタマイシン | 2) アンピシリン(ビクシリン) 4) セフタジジム(モダシン) |
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[解説] 髄膜炎の起炎菌と抗生剤の選択:起炎菌不明時→ABPC+(CTX、CTRX)、肺炎球菌・髄膜炎菌→PC−G、ABPC 、 インフルエンザ菌・大腸菌→CTX、CTRX、緑膿菌→CAZ+(GM、AMK)、ブドウ球菌→ABPC、MRSA→VCM(+RFP) ABPC=アンピシリン(ビクシリン)、CTX=セフォタキシム(クラフォラン、セフォタックス)、CTRX=セフトリアキソン(ロセフィン)、CAZ=セフタジジム(モダシン)、GM=ゲンタマイシン(ゲンタシン)、AMK=アミカマイシン(アミカシン)、VCM=バンコマイシン、RFP=リファンピシン(リマクタン) 適切な抗生剤が投与されれば、髄液中の細菌は48時間以内にほぼ陰性化し、症状も数日で快方に向かう。抗生剤は、発熱、意識状態などの症状、髄液の細胞数・糖、CRP陰性化などを目途に十分量を投与する(成人で2〜3週間)。
[正解] 1 [出典] 内科レジデント実践マニュアルP204
【問題4】(モニタリング) 体温について正しい記述はどれか。 | ア:体温中枢は視床下部に存在する。 イ:新生児が低体温になると褐色脂肪の代謝が起こる。 ウ:ドロペリドールを投与すると体温中枢の設定温度の低下が起こる。 エ:ふるえが起こると酸素消費量は何倍にも上昇しうる。 |
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[解説] 新生児では、ふるえによる熱産生ができず、ノルエピネフリンによる刺激で褐色脂肪が代謝され熱産生を起こす。成人ではふるえが起こると、酸素消費量は2ー8倍にも上昇すると言われる。
[正解] (全て) [出典] 麻酔科クリニカル問題集
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