糖尿病患者における気管挿管困難予測のための仰臥位と坐位での修正 Mallampati 分類の比較

マランパチ分類5.png・長期にわたる糖尿病患者の気道管理は、鎖骨-後頭骨関節に影響を及ぼす硬直性関節症候群のため、麻酔科医にとって大きな課題となる。不動化が必要な症例では、明らかな理由から、しばしば仰臥位で Mallampati テストを行わなければならない。そこで、糖尿病患者の坐位および仰臥位における修正 Mallampati テストの診断精度(感度と特異度)を測定し、気管挿管困難の予測に役立てる。

気管挿管を伴う全身麻酔を受ける成人糖尿病患者を対象とした単施設の前向き観察研究を実施した。麻酔前検査において、観察者が坐位での修正 Mallampati を記録した。臥位での Mallampati を手術室で測定し、挿管の難易度を記録し、診断精度を算出した。主な目的は、感度、特異度、陽性適中率、陰性適中率を算出することにより、気道困難を予測することであった。

・150 人の参加者のうち、坐位での Mallampati 分類は 42.5% の挿管困難症例を正しく同定できたが、仰臥位での Mallampati では 97.5% であった。坐位での Mallampati の評価では、挿管が容易な症例の 89.1% を正しく識別できたが、仰臥位での Mallampati では 63.6% であった。仰臥位での Mallampati と C-L グレーディングの相関は統計的に有意であった(P<0.001)。

糖尿病患者において、仰位での修正 Mallampati テストは、坐位よりも正確で感度の高い挿管困難の予測因子であると考えられる。

Mallampati を評定するには、坐位よりも仰臥位の方が精度が高いと。個人的には、所詮 Mallampati 分類なんて開口度を評価しているに過ぎないと思っているが・・・。

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