内視鏡下副鼻腔手術における気管チューブと柔軟性強化ラリンジアルマスクの覚醒特性比較-無作為化比較試験

・待機的副鼻腔手術を受けた患者 72 人を対象に、気道確保法を咽頭パック付き ETT または RLMA のいずれかに割り当てる無作為化対照試験を実施した。主要評価項目指標は、麻酔停止時に喉頭の命令で開眼するまでの時間で測定される覚醒時間であり、副次評価項目は、気道器具除去までの時間、レミフェンタニルの使用、手技時間、平均動脈圧(MAP)、RLMA の血液汚染の程度であった。連続変数はスチューデント t 検定で、離散変数である数表はフィッシャーの正確確率検定で分析した。
・ETT 群と RLMA 群間に覚醒時間に有意差はなかった(P=0.83)。レミフェンタニルの使用量は ETT 群で RLMA 群より有意に多かった(P=0.022)。ETT 群では総麻酔時間が有意に延長した(P=0.01)。MAP は導入前、維持時、RLMA 抜去後ともに有意差はなかった。血液汚染の最高グレードは RLMA のグレード 2 であった。RLMA では術後有害事象の発生率が低かった。
・RLMA は ETT に匹敵する覚醒時間であった。RMLA 群ではレミフェンタニルの使用量、麻酔時間が少なく、咳嗽や咽頭痛などの術後有害事象も少なかった。
ひこ
フレキシブル LMA は、そもそも、頭頸部手術用に開発されたのであろうが、いざ、位置ずれや喉頭痙攣が発生して気管挿管に変更したくなった時に、術者と麻酔科医が同じ術野を共有しなくてはならなくなって面倒な気がする。
【出典】
Emergence characteristics comparing endotracheal tube to reinforced laryngeal mask airway during endoscopic sinus surgery - A randomised controlled study
Indian J Anaesth. 2024 May;68(5):460-466.
Emergence characteristics comparing endotracheal tube to reinforced laryngeal mask airway during endoscopic sinus surgery - A randomised controlled study
Indian J Anaesth. 2024 May;68(5):460-466.
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