■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/05/22

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【問題1】(産婦人科領域の麻酔) 妊婦における呼吸器系の変化で、その変化の割合を記入せよ。
ア:機能的残気量
ウ:肺胞換気量
イ:一回換気量
エ:酸素消費量

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[解説] 妊婦では酸素消費量が増加し、機能的残気量が減少するために、気道閉塞などが起こると低酸素症に陥りやすい。呼吸数は増加する(+15%)。気道抵抗は減少する。


[正解] ア:↓,−20%   イ:↑、+40%  ウ:↑、+70%  エ:↑、+20% [出典] 麻酔科クリニカル問題集




【問題2】(呼吸) 緊急の気道確保の方法として行ってはいけないのはどれか?
1) 気管切開
3) エアウェイ挿入
5) 頸部後屈・下顎挙上
2) 輪状甲状切開
4) 気管内挿管


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[解説] 患者がクリティカルな状態にある場合には、通常の気管切開を行なってはならない。甲状輪状靭帯の穿刺または切開により、迅速に気道確保を行なわねばならない。この場合使用するチューブは内径4mm以上が必要である。それ未満では成人の換気は困難である。


[正解] 1 [出典] クリティカル記憶術1p9



【問題3】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。

(1) (e______) : 塞栓

(2) (v______) (a_____) : 異型狭心症

(3) (d____________) : 播種

(4) (d__________) (r_______) : 除脳硬直

(5) (a________) (c_______) (t___) : 活性凝固時間


[解答]
(1)embolus(2)variant angina
(3)dissemination(4)decerebrate rigidity
(5)activated clotting time


[出典] 麻酔科学用語集 第3版



【問題4】(モニター) 血圧測定について正しいのはどれか?

ア:自動血圧計による血圧測定法は、トランスデューサ法と呼ばれる。

イ:聴診法で聞かれる動脈の乱流によって起こる可聴域周波数の音はベルクロラ音と呼ばれる。

ウ:オシロメトリック法では、カフ圧を低下させてきた時、振幅が急に増加してくる点が収縮期圧である。

エ:測定後すぐにカフを再膨張させて長時間測定すると、末梢の虚血性壊死を起こすことがある。

オ:重篤なアテローム動脈硬化があると血圧測定の誤差の原因となる。


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[解説] ア:×:自動血圧計による血圧測定法は、オシロメトリック法と呼ばれる。一方、手動による血圧測定は、聴診器を用いる必要があることから聴診法と呼ばれる。
イ:×:聴診法で聞かれる動脈の乱流によって起こる可聴域周波数の音はKorotkoff音と呼ばれる。
ウ:○:オシロメトリック法では、カフ圧を低下させてきた時、振幅が急に増加してくる点が収縮期動脈圧である。振幅が最も大きくなる点が平均動脈圧、振幅が急に減少してくる点が拡張期圧である。
エ:×:測定後すぐにカフを再膨張させて長時間測定すると、尺骨神経麻痺、血栓性静脈炎、コンパートメント症候群を起こすことがある。
オ:○:収縮期圧よりも高い圧でも動脈の閉鎖を妨げるような重篤なアテローム動脈硬化があると血圧測定の誤差の原因となる。



[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p192-197

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