■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/05/28

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【問題1】(外傷・出血・感染) 妊婦に使用可能な抗生物質はどれか?
1) ペニシリン系
3) テトラサイクリン系
5) アミノグリコシド系
2) マクロライド系
4) クロラムフェニコール系


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[解説] 妊婦に対して禁忌となる抗生物質:マクロライド系、テトラサイクリン系、クロラムフェニコール系、アミノグリコシド系。妊婦に対して使用可能な抗生物質:ペニシリン系、セフェム系薬剤を用いる。ただし、セファロスポリン系薬剤の中でもセファロチンやCEZは蛋白結合率が高いので、核黄疸発生が危惧される。妊婦は薬剤感受性が増大しているので、薬剤固有の副作用に注意する。妊娠中毒症の時には、投与量や間隔を留意して投与する。


[正解] 1 [出典] 救急認定医診療指診P151



【問題2】(小児) 小児の麻酔について正しいのはどれか?

ア:低酸素は右左シャントを増加させる。

イ:高二酸化炭素は右左シャントを減少させる。

ウ:吸入麻酔薬のMACは1〜6ヶ月の乳児でもっとも大きくなる。

エ:1歳未満の小児ではオピオイドによる呼吸抑制作用が少ない。

オ:新生児の循環血液量は90ml/kgである。


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[解説] ア:○:低酸素→低酸素成敗血管収縮→右心系の圧上昇→右左シャントを増加させる。
イ:×:低酸素血症、高二酸化炭素、アシドーシスは右左シャントを増加させる。
ウ:○:吸入麻酔薬のMACは1〜6ヶ月の乳児でもっとも大きくなる。未熟児や新生児ではMACは低くなる。
エ:×:1歳未満の小児はオピオイドの呼吸抑制作用に敏感である。
オ:○:新生児の循環血液量は90ml/kg、乳児の循環血液量は80ml/kg、1歳以上の小児では70ml/kgである。



[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p396-404



【問題3】(局所麻酔法) 下肢の局所麻酔に関して正しい記述はどれか。

ア:外側大腿皮神経は純粋な感覚神経である。

イ:大腿神経は大腿動脈の内側に位置する。

ウ:”3 in 1”ブロックでは、外側大腿皮神経、閉鎖神経、大腿神経がブロックされる。

エ:閉鎖神経は純粋な運動神経である。

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[解説] 大腿神経は大腿動脈の外側に位置する。閉鎖神経は、感覚神経も含んでいる。「3 in 1」ブロックでは,20−40mlの局所麻酔薬を注入することで、外側大腿皮神経、閉鎖神経、大腿神経をブロックする。


[正解] (ア)、(ウ) [出典] 麻酔科クリニカル問題集




【問題4】(外傷・出血・感染) 外頚静脈の怒張をきたさないのはどれか?
1) 外傷性横隔膜ヘルニア
3) 心臓ヘルニア
5) 肺塞栓
2) 出血
4) 緊張性気胸


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[解説] 外頚静脈の怒張=中心静脈圧の上昇:原因としては、心不全、輸液・輸血過剰、昇圧剤投与、持続陽圧呼吸などの他、緊急処置を要するものとして心原性ショック、肺塞栓、緊張性気胸、心タンポナーデ、外傷性横隔膜ヘルニア、心臓ヘルニアがある。一方低下する原因としては、循環血液量不足(出血)、ショック、脱水、血管拡張、降圧剤投与などがある。


[正解] 2 [出典]

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