■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/05/30
【問題1】(肝・腎・消化管) 急性虫垂炎と鑑別診断上問題となる疾患はどれか? | 1) 急性膵炎 3) 急性胆嚢炎 5) 腸閉塞 | 2) 卵巣嚢腫茎捻転 4) 消化性潰瘍穿孔 |
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[解説] 急性虫垂炎と鑑別診断上問題となる右下腹痛を生じる可能性のある疾患としては、右側大腸憩室炎、右尿路結石、卵巣嚢腫茎捻転、子宮外妊娠破裂、急性腸炎、回盲部リンパ腫、腸アニサキス症、腸間膜リンパ節炎などが挙げられる。
[正解] 2 [出典]
【問題2】(中枢神経) 術中覚醒について正しいものはどれか? | ア:人工心肺を用いる心臓手術は術中覚醒のリスク因子である。 イ:麻酔科医に対する術中覚醒の損害賠償請求は減少してきている。 ウ:心臓手術、産科手術、外傷手術のうち術中覚醒頻度が最も高いのは心臓手術である。 エ:産科手術での術中覚醒の発生頻度は、0.4%である。 オ:潜在記憶は麻酔体験をきっかけとする行動や反応の変化として現れる。 |
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[解説] ア:○:人工心肺を用いる心臓手術は術中覚醒のリスク因子である。心筋抑制作用の少ない麻薬をベースにした麻酔がよく行われるが、麻薬の健忘作用が不確実なため術中覚醒の頻度が1%と高い。
イ:×:術中覚醒を起こしやすい麻酔法が減少してきているにもかかわらず、麻酔科医に対する術中覚醒の損害賠償請求は増加している。
ウ:×:心臓手術、産科手術、外傷手術のうち術中覚醒頻度が最も高いのは外傷手術(11〜43%)である。
エ:○:産科手術での術中覚醒の発生頻度は、0.4%である。外傷手術では、11〜43%、心臓手術では、1.1〜1.5%である。
オ:○:潜在記憶は麻酔体験をきっかけとする行動や反応の変化として現れる。
[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p212-214
【トラブル・シューティング】〜麻酔緊急Vol.2p74 (換気)『マスクで換気ができない!』 ●マスク換気困難の原因:舌根沈下、気管内異物(吐物・分泌物)、喉頭痙攣、気管支痙攣 ●先天性舌根嚢腫の喉頭への嵌頓例:3才児の先天性舌根嚢腫摘出に際し、緩徐導入したところ約10分後より突然の換気困難が出現、舌根沈下に対する処置(下顎挙上、エアウェイ挿入)、喉頭痙攣に対する処置(SCC静注)を行うも効果なく、挿管を試みるが喉頭蓋などの位置確認不能で、徐脈、チアノーゼ、不整脈が出現した。気切準備を行いつつ、胸部圧迫を行ったところ急に喉頭の視野が開け挿管可能となり、無事手術終了できた。 |
【問題3】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。 | (1) (c______) (t_______) : 慢性毒性 (2) (c_____) (s_____) : 閉鎖式/閉鎖系 (3) (e______________) (f________) : 電磁流量計 (4) (c__________) (d___) : コリン作動薬 (5) (i__________) (b____) : くも膜下ブロック |
[解答]
(1)chronic toxicity | (2)closed system |
(3)electromagnetic flowmeter | (4)cholinergic drug |
(5)intrathecal block |
[出典] 麻酔科学用語集 第3版
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