成人用 i-gel のサイズ選択のより簡便な方法:病院前データによる評価

i-Gel.png・i-gel 声門上気道器具(Intersurgical社、バークシャー、英国)は、病院前の気道管理に米国および世界中で一般的に使用されている。これまでの研究で、待機的麻酔を受ける患者においては、性別に基づいたサイズ選択法(女性患者は 4.0、男性患者は 5.0)が体重に基づいた方法よりも優れていることが示唆されている。著者らの目的は、実際の病院前データを用いて、性別に基づくi-gel サイズ選択戦略と体重に基づく戦略を比較することであった。

・ESO Data Collaborative 2018 to 2022 データセットを使用した。年齢 18 歳以上の患者における全初回 i-gel 挿入試行を包含評価した。年齢、性別、体重、成功、または器具サイズが記録されていない場合は、挿入試行を除外した。ロジスティック回帰を用いて、体重に基づくが性別に基づかない方法で挿入された群と、性別に基づくが体重に基づかない方法で挿入された群の初回挿入失敗率を比較した。

・除外基準の適用後、39,867 件の初回 i-gel 挿入試行が対象となった。全体の失敗率は 6.5%(2,585/39,867)であった。i-gel 挿入の失敗率は、体重ベースの選択戦略で i-gel を挿入した場合と比較して、性別ベースのサイズ選択方法で i-gel を挿入した場合は同程度であった(6.0% vs 6.4%)。ロジスティック回帰分析では、群間に有意差は認められなかった(オッズ比:1.08;95% 信頼区間:0.95-1.23)。

性別に基づく i-gel サイズ選択法の使用は、体重に基づく方法と比較して、初回試行時の i-gel 装着失敗率に関して同等である可能性がある。

ラリンジアルマスクと同様に、体重でもなく、性別でもなく、身長がいちばん良い参照パラメータだろう。

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