■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/06/05
【問題1】(呼吸) 小児の気管内チューブの適正な固定の深さを求める式は? | 1) 70+7×年齢 3) 12+年齢/2 5) 12+年齢/3 | 2) 4+年齢/4 4) 10+年齢/4 |
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[解説] 小児の気管内チューブの適正サイズを求める式=4+年齢/4、小児の気管内チューブの適正な固定の深さを求める式=12+年齢/2、小児の標準身長を求める式=70+7×年齢
[正解] 3 [出典] クリティカル記憶術1P253
■ これって常識? ■ 無症候性の低 Na血症を急速に補正するな! |
1)慢性低 Na血症を急速に補正すると,橋中心髄鞘溶解(CPM)などの重篤な神経学的後遺症が発生しうる.補正速度は0.5mEq/l/時を越えてはならない.
2)症候性(けいれん,意識障害)の急性低 Na血症に対しては,血清Na濃度を経時的にモニターしながら3%NaCl(1〜2ml/kg/時)投与,furosemide投与を行う.
3)純粋な水分過剰による低 Na血症(SIADHなど)の過剰水分量は,
過剰水分量=(1−現在の血清Na濃度/目標血清Na濃度)×体重×0.6
[出典] 知っているつもりの内科レジデントの常識非常識 第3章 378の常識〜腎臓編
【問題2】(呼吸生理) 次のうち正しいのはどれか。 | ア:肺でガス交換が正常に行われるためには、肺全体として換気量は5L/分、肺血流は4L/分である。 イ:換気血流比は肺尖部で小さく、肺の下部で大きい。 ウ:拡散障害によるAaDO2の増大は高濃度酸素吸入により軽減する。 エ:シャントによるAaDO2の増大は高濃度酸素吸入により一層著明となる。 オ:肺の酸素拡散能力の正常値は15ml/min/mmHgである。 |
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[解説] 肺胞換気量は4L/min、肺胞毛細管血流量は5L/minで、従って換気血流比=0.8である。換気量は肺尖部では肺底部に比し少ないが、血流量の差はもっと著明で、換気血流比は肺尖部で大きく、肺底部で小さい。拡散障害によるAaDO2の増大は高濃度酸素吸入により軽減する。シャントによるAaDO2の増大は高濃度酸素吸入により一層著明となる。肺の酸素拡散能力の正常値は15ml/min/mmHg以上である。
[正解] (ウ)、(エ)、(オ) [出典] 第26回麻酔指導医認定筆記試験:B30
【問題3】(心臓・血管) 高血圧緊急症に含まれないのはどれか? | 1) 高血圧性脳症 3) 脳内出血 5) 心筋梗塞を伴う高血圧 | 2) 子癇前症 4) 肺水腫を伴う急性左心不全 |
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[解説] 高血圧緊急症とは、血圧の著しい上昇により脳、心、腎などの臓器障害(end organ damage)をきたすか、あるいはそれが進行しつつある状態で、緊急(1時間以内)かつ適正な降圧を必要とする。本症の高血圧の成因は本態性、二次性のいずれかを問わない。まず、24時間以内に血圧がコントロールされるべき高血圧は高血圧急迫症として高血圧緊急症と区別される。高血圧緊急症(hypertensive emergencies)には、高血圧性脳症、脳内出血、肺水腫を伴う急性左心不全、解離性大動脈瘤、子癇、心筋梗塞を伴う高血圧、頭部外傷あるいは広範囲火傷を伴う高血圧などが含まれ、高血圧急迫症(hypertensive ergencies)には、悪性高血圧、周術期高血圧、子癇前症などが含まれる。
[正解] 2 [出典] 内科レジデント実践マニュアルp73
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