小児麻酔におけるカフ付き気管チューブとカフなし気管チューブの使用に関する現在の意識と臨床実践に関する系統的レビュー

・数十年来、麻酔下の小児に気道確保と人工呼吸を提供する際、カフなし気管チューブ（ETT）の使用はゴールドスタンダードである。しかし、小児におけるカフなし ETT の適用からカフ付き ETT の適用へと焦点が変わりつつあり、この問題については何年も議論されてきた。実際、いくつかの研究によると、麻酔科医の気管チューブの種類に対する考え方や使用方法は、国や地域によって異なっていた。本研究の目的は、小児に対するカフなし ETT またはカフ付き ETT の使用に関する麻酔科医の現在の態度と実践について明らかにすることであった。

・2020 年 5 月から 11 月にかけて、カフ付き ETT とカフなし ETT の使用に関する小児麻酔科医の現在の態度と実践に関する観察研究の系統的レビューを実施した。Cochrane レビュー、Medline、Pubmed、EMBASE を検索し、5 件の関連研究を得た。

・カフ付き ETT の使用率は 11〜61% であり、全研究で、カフ付き ETT とカフなし ETT のどちらが優れているかについてのコンセンサスや基準はないと報告された。報告されたカフ付き ETT 使用の要因は以下の通りである： 1）個人の選択、2）診療科のプロトコル、3）リソースの利用可能性、4）肥満、予定または緊急の処置、肺のコンプライアンスの低下などの特定の条件。ETT のサイズに関しては、以下の基準が報告されている： 1）計算式の使用、2）そろばん/計算機の使用、3）第 5 指の幅との関係。

・今回の系統的レビューにより、小児におけるカフなし気管チューブまたはカフ付き気管チューブの使用に関する麻酔科医の現在の態度や実践には大きなばらつきがあることが示された。同様に、ETT の選択に影響を及ぼす要因や選択の基準も、発表された文献によってさまざまであった。この系統的レビューの結果は、特定のシナリオにおいてカフ付き ETT とカフなし ETT のどちらがよいかを臨床医が選択し、最も適切な ETT サイズを選択する際の判断材料となる標準的なガイドラインの必要性を浮き彫りにした。

ひこ

カフ付きとカフなしで、コストも違うし、緊急手術で嘔吐・誤嚥の危険性が高い場合や、長時間手術の場合とか、適応を分けた方がよいのかな。

【出典】
A Systematic Review on the Current Attitudes and Clinical Practices on the Use of Cuffed and Uncuffed Endotracheal Tubes in Pediatric Anesthesia
Acta Med Philipp. 2024 May 23;58(9):22-29.

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