メキシコにおけるスパイロメトリーと ARISCAT 呼吸器リスク評価の併用は術後転帰を改善し死亡リスクを低下させる

ARISCAAT score.png・術前評価の主な目的は危険因子を同定し、術後転帰を改善することであるが、メキシコにおける現在の臨床ガイドラインでは、術前スパイロメトリーは肺疾患のある患者にのみ実施すべきであるとされている。本研究の目的は、術前スパイロメトリーを受けた成人、受けなかった成人の術後合併症(POC)発生率、死亡率、危険因子を、カタルーニャにおける外科手術患者の呼吸器リスク評価(ARISCAT)リスク値に基づいて比較することである。

観察後ろ向き比較研究デザインを用いて、2013〜2017 年に ARISCAT 評価を受けたメキシコ総合病院の 2059 人の患者を同定した。患者は 2 群に分類された: スパイロメトリーありの ARISCAT(n=1306)とスパイロメトリーなしの ARISCAT(n=753)である。群の比較にはカイ二乗、フィッシャーの正確検定、スチューデントの t 検定を用いた。ロジスティック回帰を用いて、POC および死亡のリスク上昇に関連する因子を同定した。

スパイロメトリーありの ARISCAT 群では POC を発症した患者は 11% であったのに対し、スパイロメトリーなしの ARISCAT 群では 48% であった。スパイロメトリーを受けなかった高リスク ARISCAT 患者では、スパイロメトリーを受けた患者(0.4%)よりも死亡率が高かった(18%)。ロジスティック回帰の結果は、術前スパイロメトリーを実施しないと POC の確率と死亡率が増加することを示している。

・著者らの知見は、術前スパイロメトリーと ARISCAT の併用が POC と死亡率の減少に関連することを示唆している。今後の臨床ガイドラインでは、メキシコの ARISCAT 値が中等度または高度の患者に対して術前スパイロメトリーの使用を推奨すべきである。

術前肺疾患がなくてもスパイロメトリーを実施するべきであると。このスパイロメトリーというのは、検査だけではなく呼吸訓練を含んでいるのかな?

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