■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/06/12
【問題1】(血管手術の麻酔) 胸部大動脈瘤の麻酔について正しい記述はどれか。 | ア:上行大動脈瘤手術では左橈骨動脈カニュレーションを行うべきである。 イ:大動脈弓置換術では、静脈からの逆行性脳潅流を行うことがある。 ウ:下行大動脈瘤手術で体性感覚誘発電位を脊髄のモニターとして用いることがある。 エ:超低体温循環停止を行える時間の限界は約20分である。 |
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[解説] 大動脈弓部手術では腕頭動脈までクランプがかかる可能性があるので、左橈骨動脈と大腿動脈あるいは足背動脈にカニュレーションを行う。超低体温循環停止(直腸温11−20度)は40−60分間行うことができる。
[正解] (ア)、(イ)、(ウ) [出典] 麻酔科クリニカル問題集
【問題2】(心臓・血管) 腹部大動脈瘤手術の麻酔について正しいのはどれか? | ア:大動脈遮断時の腎保護のためにドパミン、フロセミド、マンニトールは有用である。 イ:腹部大動脈瘤手術の大動脈遮断解除前には容量負荷を行っておく。 ウ:腹部大動脈瘤の30%が腎動脈を含む。 エ:術後心筋梗塞の発生のピークは術後の約24時間である。 オ:末梢動脈疾患の最も関連性が高い危険因子は喫煙と糖尿病である。 |
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[解説] ア:×:大動脈手術中の腎機能保護に効果がある薬物はほとんどない。ドパミン、フロセミド、マンニトールは大動脈遮断という状況下では腎保護作用はない。
イ:○:大動脈遮断部以下の血管床は最大限に拡張しており、遮断解除によって末梢血管抵抗が下がるために、急激な血圧の低下が生じる。遮断解除までに十分な輸液負荷を行うことが重要である。
ウ:○:腹部大動脈瘤の70%は腎動脈下である。30%が腎動脈を含む。
エ:×:術後心筋梗塞の発生のピークは術後の約72時間である。おそらく術中にサードスペースに移行した輸液が血管内に戻ってくることが関係しており、うっ血性心不全や心筋虚血につながる可能性がある。
オ:○:末梢動脈疾患の最も関連性が高い危険因子は喫煙と糖尿病である。その他には、高齢、性別(男性)、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、身体活動性の低下などが危険因子となる。
[正解] 解説を参照 [出典] 麻酔科シークレット第2版 p258-262
【問題3】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。 | (1) (p____________) (d_______) : 心身症 (2) (d_______) (r__________) : 糖尿病網膜症 (3) (i_) (v___) : 生体内 (4) (m_____) (s_______) : 僧帽弁狭窄症 (5) (s______) (s________) : 体性感覚 |
[解答]
(1)psychosomatic disorder | (2)diabetic retinopathy |
(3)in vivo | (4)mitral stenosis |
(5)somatic sensation |
[出典] 麻酔科学用語集 第3版
【問題4】(中枢神経) 意識障害と呼気にアセトン臭を認める場合に何を考えるか? | 1) 肝性昏睡 3) 糖尿病性ケトアシドーシス 5) 一酸化炭素中毒 | 2) 尿毒症 4) アルコール中毒 |
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[解説] 意識障害と呼気にアセトン臭を認める場合に糖尿病性ケトアシドーシスを考慮するべきである。
[正解] 3 [出典] クリティカル記憶術2P62
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