股関節形成術を受ける患者における周術期の閉塞性睡眠時無呼吸の重症度に及ぼす脊椎麻酔と全身麻酔の影響:2 つの無作為化比較試験の事後分析

睡眠時無呼吸3.png・術後の睡眠時無呼吸重症度への影響を軽減するために、全身麻酔よりも区域麻酔を優先することが推奨されているが、現在のところこれを支持するエビデンスはない。著者らは、全身麻酔と脊椎麻酔の術後睡眠時無呼吸重症度への影響を比較し、術後 3 日目までの睡眠時無呼吸重症度の推移を評価した。

・この事後解析では、全身麻酔または脊椎麻酔下で人工股関節全置換術を受けた患者(n=96)を対象とした、過去に行われた 2 件の無作為化対照試験からプールされたデータを使用し、予備的な検出力解析は行わなかった。全参加者は、手術前と術後 1 日目と 3 日目の夜に呼吸ポリグラフィーを受けた。主要評価項目は、術後 1 日目の夜の仰臥位無呼吸低呼吸指数と、術後 3 日目の夜までの仰臥位無呼吸低呼吸指数の推移であった。副次評価項目は、術後 1 日目と 3 日目の夜の低酸素飽和度指数であった。

全身麻酔群および脊椎麻酔群では、術後第 1 夜の仰臥位無呼吸低呼吸指数の平均値(95% 信頼区間)はそれぞれ 20(16-25)および 21(16-26)事象/時(P=0.82)であり、術後第 3 夜の対応値は 34(22-45)および 35(20-49)事象/時(P=0.91)であった。一般化推定方程式モデルでは有意な時間効果を示した。副次評価項目は両群で同様であった。

全身麻酔と比較した脊椎麻酔の使用は、術後の睡眠時無呼吸の重症度の低下とは関連せず、術後 3 日目の夜に悪化した。

術後 3 日目に SAS が悪化するのは、術後疼痛が軽減するために、より深い眠りに落ちるからだろうか?

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