■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/06/17

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【問題1】(心臓・血管) 肺血栓塞栓症の疑いがあって血行動態が不安定な場合には、確定診断のために早急に何を行う必要があるか?
1) 肺血流シンチグラム
3) 肺血管造影
5) 心エコー
2) 深部静脈血栓症の検査
4) 肺換気シンチグラム


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[解説] 肺血栓塞栓症の疑いがあって血行動態が不安定な場合には、確定診断のために早急に肺血管造影を行う必要がある。血行動態が安定していれば、肺血流ー換気シンチを行なう。


[正解] 3 [出典] 内科レジデント実践マニュアルp104




【問題2】(体液・電解質) 1号輸液だけでは電解質の喪失が強いとき(低張性脱水)に使用するのはどれか?
1) 細胞内修復液
3) 輸液開始液
5) 術後回復液
2) 細胞外液補充液
4) 維持液


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[解説] 1号液=輸液開始液(腎機能の低下や評価しがたい時の初期輸液として使用される)、2号液=細胞内修復液(1号輸液だけでは電解質の喪失が強いとき(低張性脱水)に使用する、3号液=維持液(生体に必要な水分と電解質の他糖質が含まれており、経口摂取が不可能な場合の短期の維持目的で使用される。1号輸液だけではなお水不足が強い時(高張性脱水))、4号液=術後回復液(カリウム投与を控えたいときの3号液の代用輸液として使用される)、乳酸リンゲル液や酢酸リンゲル液=細胞外液補充液(急性出血で輸血を使用するまでの緊急時、外傷、手術時や熱傷の初期輸液として使用する、)


[正解] 1 [出典]




【問題3】(代謝・内分泌) 糖尿病の運動療法では、最大酸素摂取量の何パーセント程度の運動を行うべきか?
1) 50〜70%
3) 10%以下
5) 20〜50%
2) 70〜90%
4) 10〜20%


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[解説] 糖尿病の運動療法としては多くの筋肉を使用した運動様式(ジョギング・水泳)がよい。最大酸素摂取量の50〜70%(心拍数にして100〜120程度)を目標にし、30分間/日(あるいは、週3回以上1回20分以上)行なう。効果はカロリー消費のみならず運動後の糖代謝改善作用(48〜72時間持続)による。運動量法に先駆け、心、腎、眼底をチェックし運動禁忌のないことを確認する。IDDMでは心拍数130〜140(最大酸素摂取量60〜70%)、NIDDMでは年令など加味して心拍数100〜110(最大酸素摂取量40〜50%)を維持する。IDDMでは運動誘発性低血糖を防ぐため食後2時間後から行なう。血糖コントロール不良の時期は運動後高血糖を招くため禁忌である。


[正解] 1 [出典] クリティカル記憶術2P52





【問題4】(内分泌疾患患者への注意) 糖尿病性ケトアシドーシスでみられるものはどれか。
ア:高カリウム血症
ウ:高リン酸血症
イ:低ナトリウム血症
エ:循環血液量減少

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[解説] 糖尿病性ケトアシドーシスでは、高度のカリウムやリンの欠乏が起こる。浸透圧利尿が起こるために、循環血液量は減少する。


[正解] (イ)、(エ) [出典] 麻酔科クリニカル問題集

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