全身麻酔患者における術中低血圧予防のための低血圧予測指標:無作為化比較試験
・術中低血圧は全身麻酔でよくみられる副作用である。ここでは、新しい警告システムである低血圧予測指数(HPI)が全身麻酔中の術中低血圧の重症度と持続時間を減少させるかどうかを検討した。
・本無作為化比較試験は 3 次紹介病院で実施された。侵襲的動脈圧モニタリングを伴う全身麻酔を受ける患者を登録した。患者 をHPI ガイダンスによる血行動態投与を受ける群(介入群)と標準治療(対照群)に 1:1 で無作為に割り付けた。術中低血圧治療は、HPI>85(介入)または平均動脈圧(MAP)<65mmHg(対照)で開始した。主要評価項目は低血圧重症度とし、時間加重平均(TWA)MAP<65mmHg と定義した。副次評価項目は TWA MAP<60 および<55mmHg であった。
・試験を完了した 60 人の患者のうち、30 人が介入群、30 人が対照群であった。患者の年齢中央値は 62 歳で、うち 48 人が男性であった。手術時間の中央値は 490 分であった。術前の MAP 中央値は両群間に有意差はなかった。介入群では、TWA MAP<65mmHg の中央値が対照群より有意に低かった(0.02[0.003、0.08] vs 0.37[0.20、0.58]、P<0.001)。TWA MAP 60mmHg 未満と 55mmHg 未満でも同様の所見であった。手術中の MAP 中央値は介入群で対照群より有意に高かった(87.54mmHg vs 77.92mmHg、P<0.001)。
・HPI ガイダンスは全身麻酔中の術中低血圧の予防に有効であると思われる。HPI が患者の転帰に及ぼす影響を評価するためには、さらなる調査が必要である。
・本無作為化比較試験は 3 次紹介病院で実施された。侵襲的動脈圧モニタリングを伴う全身麻酔を受ける患者を登録した。患者 をHPI ガイダンスによる血行動態投与を受ける群(介入群)と標準治療(対照群)に 1:1 で無作為に割り付けた。術中低血圧治療は、HPI>85(介入)または平均動脈圧(MAP)<65mmHg(対照)で開始した。主要評価項目は低血圧重症度とし、時間加重平均(TWA)MAP<65mmHg と定義した。副次評価項目は TWA MAP<60 および<55mmHg であった。
・試験を完了した 60 人の患者のうち、30 人が介入群、30 人が対照群であった。患者の年齢中央値は 62 歳で、うち 48 人が男性であった。手術時間の中央値は 490 分であった。術前の MAP 中央値は両群間に有意差はなかった。介入群では、TWA MAP<65mmHg の中央値が対照群より有意に低かった(0.02[0.003、0.08] vs 0.37[0.20、0.58]、P<0.001)。TWA MAP 60mmHg 未満と 55mmHg 未満でも同様の所見であった。手術中の MAP 中央値は介入群で対照群より有意に高かった(87.54mmHg vs 77.92mmHg、P<0.001)。
・HPI ガイダンスは全身麻酔中の術中低血圧の予防に有効であると思われる。HPI が患者の転帰に及ぼす影響を評価するためには、さらなる調査が必要である。
ひこ
HPI は患者の予後改善に有効だろう。
【出典】
Hypotension prediction index for prevention of intraoperative hypotension in patients undergoing general anesthesia: a randomized controlled trial
Perioper Med (Lond). 2024 Jun 15;13(1):57.
Hypotension prediction index for prevention of intraoperative hypotension in patients undergoing general anesthesia: a randomized controlled trial
Perioper Med (Lond). 2024 Jun 15;13(1):57.
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