■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/06/19
【問題1】(妊婦) 次のうち正しいのはどれか。 | ア:分娩第1期の痛みは頚管拡張と子宮収縮による。 イ:分娩第2期の痛みは腟および会陰部の伸展による。 ウ:子宮からの求心性疼痛刺激はTh8〜Th9の脊髄へ入る。 エ:腟からの求心性疼痛刺激は骨盤神経を通ってS2〜S4の脊髄へ入る。 オ:子宮体部への運動神経はTh5〜Th10の脊髄から出る。 |
▼
▼
▼
[解説] 分娩第1期の痛みは子宮下部に加わる組織の伸展圧迫による刺激が原因で、主に頚管拡張と子宮収縮による。分娩第2期の痛みは下部産道、会陰の伸展と、第3期に及ぶ子宮収縮の痛みである。子宮からの求心性疼痛刺激はTh10〜L1の後根を通って脊髄へ入る。腟からの求心性疼痛刺激は陰部神経を通ってS2〜S4の脊髄へ入る。子宮体部への運動神経はT5〜T10の脊髄から出る。子宮体部:知覚=Th10〜L1、運動=T5〜T10。子宮下部〜腟上部:運動・知覚とも仙骨神経=S2〜S4。腟下部〜外陰部:運動・知覚とも陰部神経=S2〜S4。高位硬膜外麻酔でも、重症低血圧が起こらなければ、分娩の子宮収縮を抑制しない。
[正解] (ア)、(イ)、(オ) [出典] 第28回麻酔指導医認定筆記試験:B5
【問題2】(外傷患者と熱傷患者の麻酔) 熱傷患者の輸液について正しい記述はどれか。(%TBSA:全体表面積に対する熱傷範囲の割合) | ア:Parklandの公式では、乳酸リンゲル液を4ml/kg/%TBSA/24hrで投与する。 イ:Brookeの公式では、乳酸リンゲル液に加え膠質液も投与する。 ウ:尿量を0.5−1.0ml/kg/hrに保つようにする。 エ:乳酸リンゲル液のみを初期輸液に用いた方が、膠質液を併用するより肺水腫を起こす率が高い。 |
▼
▼
▼
[解説] 熱傷(%TBSA>30%)が起こると、全身的な血管透過性の亢進が起こり、体液、電解質、蛋白質の喪失が起こる。赤血球量も、破壊や熱傷部に捕らえられることにより減少する。皮膚が欠損するために、蒸発も増加する。
[正解] (ア)、(イ)、(ウ) [出典] 麻酔科クリニカル問題集
【問題3】(中枢神経) 角膜反射の障害はどの部位の障害で起こるか? | ||||
1) 視床 | 2) 延髄 | 3) 中脳 | 4) 橋 | 5) 大脳皮質 |
▼
▼
▼
[解説] 「脳幹反射」:咽頭反射の障害=延髄の障害、対光反射の障害=中脳の障害、角膜反射の障害=橋の障害
[正解] 4 [出典] クリティカル記憶術2P30
【問題4】(モニタリング) 肺動脈カテーテルの合併症として起こるものはどれか。 | ア:肺動脈破裂 ウ:肺梗塞 | イ:右脚ブロック エ:血小板減少症 |
▼
▼
▼
[解説] 肺動脈カテーテルの合併症としては、挿入操作時に起こりうる心室性期外収縮や右脚ブロック、空気塞栓症、留置することによる肺梗塞、肺動脈破裂、感染症、血小板減少症、肺動脈弁損傷などがある。
[正解] (全て) [出典] 麻酔科クリニカル問題集
この記事へのコメント