脊椎手術における周術期のフルルビプロフェン投与と急性腎障害(AKI)との関連:後ろ向きコホート研究
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と術後急性腎障害(AKI)との関連については依然として議論があり、特にフルルビプロフェンを検討した研究は限られている。そこで本研究では、術中のフルルビプロフェン投与と術後 AKI との関連を検討することを目的とした。
・中南大学三次湘雅病院の患者コホートを後ろ向きに同定した。2012 年 1 月 1 日から 2018 年 7 月 31 日の間に脊椎手術を受けた成人患者計 3882 例を対象とし、フルルビプロフェン投与群(50mg または 100mg を 1 回、麻酔開始 5 分後)と非投与群に分類した。主要評価項目は AKI の発生率とした。
・フルルビプロフェン投与群(4.4%)は非投与群(6.5%、P<0.001)と比較して AKI 発症率が低かった。潜在的な交絡変数を調整した後の多変量回帰分析では、フルルビプロフェン群は非フルルビプロフェン群に比べて術後 AKI のリスクを 49% 減少させた(OR 0.51;95%CI 0.31?0.82)。サブ群解析によると、フルルビプロフェン注射は、糖尿病のない患者(OR 0.61;95% 信頼区間0.19〜0.74)、手術時間 2〜5 時間の患者(OR 0.54;95%信頼区間0.23〜0.75)、術前貧血のある患者(OR 0.57;95%信頼区間0.21〜0.74)の患者において、術後 AKI 発生率の低下と関連していた。
・本研究は、脊椎手術を受けた成人患者において、周術期のフルルビプロフェン投与は術後 AKI リスクの低下と関連すると結論づけた。
・中南大学三次湘雅病院の患者コホートを後ろ向きに同定した。2012 年 1 月 1 日から 2018 年 7 月 31 日の間に脊椎手術を受けた成人患者計 3882 例を対象とし、フルルビプロフェン投与群(50mg または 100mg を 1 回、麻酔開始 5 分後)と非投与群に分類した。主要評価項目は AKI の発生率とした。
・フルルビプロフェン投与群(4.4%)は非投与群(6.5%、P<0.001)と比較して AKI 発症率が低かった。潜在的な交絡変数を調整した後の多変量回帰分析では、フルルビプロフェン群は非フルルビプロフェン群に比べて術後 AKI のリスクを 49% 減少させた(OR 0.51;95%CI 0.31?0.82)。サブ群解析によると、フルルビプロフェン注射は、糖尿病のない患者(OR 0.61;95% 信頼区間0.19〜0.74)、手術時間 2〜5 時間の患者(OR 0.54;95%信頼区間0.23〜0.75)、術前貧血のある患者(OR 0.57;95%信頼区間0.21〜0.74)の患者において、術後 AKI 発生率の低下と関連していた。
・本研究は、脊椎手術を受けた成人患者において、周術期のフルルビプロフェン投与は術後 AKI リスクの低下と関連すると結論づけた。
ひこ
フルルビプロフェンは、重要な基本的注意として、「急性腎障害、ネフローゼ症候群等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。」とある。
【出典】
Association between perioperative flurbiprofen administration and acute kidney injury (AKI) in spine surgery: a retrospective cohort study
Perioper Med (Lond). 2024 Jun 18;13(1):59.
Association between perioperative flurbiprofen administration and acute kidney injury (AKI) in spine surgery: a retrospective cohort study
Perioper Med (Lond). 2024 Jun 18;13(1):59.
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