アデノイド切除術および扁桃摘出術を受ける小児における覚醒時せん妄に対するプロポフォールとケタミンの併用の影響
・セボフルラン麻酔後の覚醒せん妄(ED)は小児において依然として深刻なの問題である。著者らは、プロポフォールとケタミンの併用の比率を比較し、ED を予防するためのより良い選択肢を調査することを目的とした。
・本前向き無作為臨床試験では、アデノイド切除術および扁桃摘出術を受けた年齢 3〜12 歳の小児 112 人を募集した。プロポフォール 1 mg/kg + ケタミン 1 mg/kg(1:1 の比率)、プロポフォール 1.5 mg/kg + ケタミン 0.75 mg/kg(2:1 の比率)、プロポフォール 2 mg/kg + ケタミン 0.66 mg/kg(3:1の比率)、プロポフォール 3 mg/kg をそれぞれ I 群、II 群、III 群、IV 群の麻酔導入時に適用した。麻酔導入時にはフェンタニル 1 μg/kg とロクロニウム 0.6 mg/kgを投与し、麻酔は全員セボフルランと O2/N2O 混合ガスで維持した。術後鎮痛のためにモルヒネ 0.1mg/kg を手術終了時の 10 分間に静脈内投与した。ED は Watcha スコア 3 以上と定義された。人口統計、血行動態、抜管時間、Watcha スコア、Face、Legs、Activity、Cry、Consolability(FLACC)スコア、麻酔回復室(PACU)在室期間、レスキュー鎮痛剤必要量、術後合併症が記録された。
・IV 群では 10 分後と 20 分後の ED が有意に高かった。PACU で ED をきたした小児は 18 例(I 群 3 例、II 群 2 例、III 群 2 例、IV 群 11 例)であった。FLACC スコアは、全時間帯で有意差があった。レスキュー鎮痛剤を必要としたのは、I 群で 3 人(10.7%)、II 群で 2 人(7.1%)、III 群で 2 人(7.1%)、IV 群で 10 人(35.7%)であった(P=0.012)。PACU 在室期間は I 群 21.9±6.4、II 群 18.7±6.3、III 群1 6.7±5.8、IV 群 17.4±5.8であった。眼振は I 群の 3 人に認められた。
・セボフルラン麻酔導入時にプロポフォールにケタミンを追加することで、小児の ED と鎮痛剤の必要量を減少できる。プロポフォールとケタミンの比率を 3:1 にすることで、PACU の在室期間を延長することなく、疼痛と ED を軽減し、術後の回復が良好であった。
・本前向き無作為臨床試験では、アデノイド切除術および扁桃摘出術を受けた年齢 3〜12 歳の小児 112 人を募集した。プロポフォール 1 mg/kg + ケタミン 1 mg/kg(1:1 の比率)、プロポフォール 1.5 mg/kg + ケタミン 0.75 mg/kg(2:1 の比率)、プロポフォール 2 mg/kg + ケタミン 0.66 mg/kg(3:1の比率)、プロポフォール 3 mg/kg をそれぞれ I 群、II 群、III 群、IV 群の麻酔導入時に適用した。麻酔導入時にはフェンタニル 1 μg/kg とロクロニウム 0.6 mg/kgを投与し、麻酔は全員セボフルランと O2/N2O 混合ガスで維持した。術後鎮痛のためにモルヒネ 0.1mg/kg を手術終了時の 10 分間に静脈内投与した。ED は Watcha スコア 3 以上と定義された。人口統計、血行動態、抜管時間、Watcha スコア、Face、Legs、Activity、Cry、Consolability(FLACC)スコア、麻酔回復室(PACU)在室期間、レスキュー鎮痛剤必要量、術後合併症が記録された。
・IV 群では 10 分後と 20 分後の ED が有意に高かった。PACU で ED をきたした小児は 18 例(I 群 3 例、II 群 2 例、III 群 2 例、IV 群 11 例)であった。FLACC スコアは、全時間帯で有意差があった。レスキュー鎮痛剤を必要としたのは、I 群で 3 人(10.7%)、II 群で 2 人(7.1%)、III 群で 2 人(7.1%)、IV 群で 10 人(35.7%)であった(P=0.012)。PACU 在室期間は I 群 21.9±6.4、II 群 18.7±6.3、III 群1 6.7±5.8、IV 群 17.4±5.8であった。眼振は I 群の 3 人に認められた。
・セボフルラン麻酔導入時にプロポフォールにケタミンを追加することで、小児の ED と鎮痛剤の必要量を減少できる。プロポフォールとケタミンの比率を 3:1 にすることで、PACU の在室期間を延長することなく、疼痛と ED を軽減し、術後の回復が良好であった。
ひこ
小児麻酔の導入時にプロポフォールとフェンタニルに加えて、ケタミンを併用すると覚醒時せん妄を減らせると。
【出典】
The Effect of Different Propofol-Ketamine Combinations on Emergence Delirium in Children Undergoing Adenoidectomy and Tonsillectomy Surgery
J Perianesth Nurs. 2024 Jun 17:S1089-9472(24)00037-6.
The Effect of Different Propofol-Ketamine Combinations on Emergence Delirium in Children Undergoing Adenoidectomy and Tonsillectomy Surgery
J Perianesth Nurs. 2024 Jun 17:S1089-9472(24)00037-6.
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