■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/06/24

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【問題1】(心肺蘇生) 心肺蘇生時の薬物療法について誤っているのはどれか。

ア:カルシウムは気管内投与してよい。

イ:エピネフリンは主にそのα受容体刺激作用で、冠血流と脳血流ともに増やす。

ウ:気管内に投与する薬物は静脈内投与量の2〜2.5倍である。

エ:末梢循環が悪いときの炭酸水素ナトリウムは細胞内アルカローシスをきたす危険がある。

オ:カルシウム投与の適応の一つに低カリウム血症がある。


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[解説] 気管内投与可能な薬物は、エピネフリン、リドカイン、アトロピンなどで、静脈内投与量の2〜2.5倍を生食か蒸溜水10mlで希釈する。カルシウムはいけない。エピネフリンは一次的にはα受容体刺激作用によって心筋・脳血流を増加させる。β刺激作用は心筋仕事量を増加させ、心内膜下灌流を減少させるので議論の的になっている。特に、虚血心筋では炭酸水素Naから産生された二酸化炭素が自由に心筋や脳細胞内に拡散して入り、奇異性アシドーシスを招来し、機能を抑制することがある。カルシウム投与は高カリウム血症、低カルシウム血症(大量輸血後)、Ca拮抗薬中毒に適応がある。


[正解] (ア)、(エ)、(オ) [出典] 第32回麻酔指導医認定筆記試験:B4




【問題2】(溺水・中毒・体温) メタノール・エチレングリコール中毒に対する拮抗薬はどれが適切か?
1) Nアセチルシステイン
3) エタノール
5) フィゾスチグミン
2) PAM、アトロピン
4) メチレンブルー


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[解説] 特殊な中毒と解毒・拮抗薬:(1)青酸化合物→亜硝酸+チオ硫酸 (2)有機リン、カーバメート→硫酸アトロピン、PAM (3)アセトアミノフェン→Nアセチルシステイン (4)メトヘモグロビン血症(アニリン)→メチレンブルー (5)ベンゾジアゼピン→フルマゼニル (6)ジゴキシン、ジギトキシン→ジゴキシン特異抗体 (7)三環系・四環系抗うつ薬→フィゾスチグミン (8)クマリン系殺鼠剤→ビタミンK (9)メタノール・エチレングリコール→エタノール (10)重金属:砒素・水銀・小児鉛脳症→ジメルカプロール(BAL)、鉛(無機鉛)→エデト酸ナトリウム、銅・水銀・亜鉛→ペニシラミン、鉄→デスフェラール


[正解] 3 [出典] 救急認定医診療指診P444



【問題3】(麻酔科学用語) コロン以下の日本語に相当する英単語、フレーズを答えよ。

(1) (a________) (d___) (s____) : 器械死腔

(2) (s___) (s____) (s_______) : 洞不全症候群

(3) (e_________) (p____) : 呼気相/呼息相

(4) (e________________) : 電気刺激器/電気刺激装置

(5) (a____________) : 動脈瘤切開


[解答]
(1)apparatus dead space(2)sick sinus syndrome
(3)expiratory phase(4)electrostimulator
(5)aneurysmotomy


[出典] 麻酔科学用語集 第3版



【問題4】(呼吸) 成人の酸素飽和度が50%の時の、動脈血酸素分圧(P50)はいくらか?
1) 27 2) 17 3) 22 4) 32 5) 37

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[解説] 酸素分圧と酸素飽和度の関係は酸素解離曲線で示される。少なくとも次の4点は覚えておくこと。(PaO2=60)=(SaO2=90)、(PaO2=40)=(SaO2=75)、(PaO2=27)=(SaO2=50)、(PaO2=90)=(SaO2=96)


[正解] 1 [出典] クリティカル記憶術1P121

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