気管挿管用の気管チューブを保持するための指間グリップの有効性を、従来のペンホールドグリップと比較する:無作為化比較試験

チューブの持ち方.png・気管挿管を成功させるためには、気管チューブ(ETT)を正しく保持することが不可欠である。本研究の主要目的は、気管挿管に必要な試行回数と外部補助具の使用に関して、指間グリップと従来のペンホールディンググリップを比較することである。

・全身麻酔下で待機的手術を受けた 300 人の患者を、気管挿管時に ETT を保持する方法によってC 群(従来のグリップ)と M 群(修正された指間グリップ)に無作為に割り付けた。各群を盲検化した指名麻酔科医が全患者の喉頭鏡検査を行い、Cormack-Lehane グレード 3b および 4 の難易度(n=24)は除外した。その後、麻酔科医に群分けが明らかにされ、それに従って挿管が行われた。試行回数、BURP の使用、所要時間が記録された。サンプルサイズは、ソフトウェア G*Power version 3.1.9.2 を用いて推定した。データ解析には、SPSS version 23(SPSS-23, IBM, Chicago, USA)を使用した。

初回挿管成功は両群間で同等であった(99.3% vs 97.2%、P=0.197)。一方、BURP としての外部補助(0.75% vs 6.99%、P=0.009)および挿管に要した時間(P=0.008)は、M 群で有意に短縮された。

指間グリップは挿管時に ETT を保持するのに標準的なグリップと同様に有効であると思われる。しかし、BURP における外部補助の必要性を減らす可能性があるため、より優れていることが証明された。

気管チューブの保持法は、ペンホールディングよりも、指間グリップ法のほうが優れているようだ。

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