■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/06/27
【問題1】(中枢神経) 脳血管撮影が必要なのはどれか? | 1) 急性硬膜外血腫 3) 脳出血 5) 脳挫傷 | 2) クモ膜下出血 4) 慢性硬膜下血腫 |
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[解説] クモ膜下出血の診療を進めていく上で、脳血管造影は出血源の原因疾患検索、出血部血管の状態把握等の診断・術前検査として不可欠である。
[正解] 2 [出典] クリティカル記憶術2P18
【問題2】(血液) 周術期に抗凝固療法を中断すべきでないのはどれか? | 1) 機械弁置換術後患者 3) 深部静脈血栓症患者 5) 心房細動患者 | 2) 生体弁置換術後患者 4) 弁膜症患者 |
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[解説] ワーファリン絶対適応=機械弁置換術後患者・6ヵ月以内に発症した肺血栓塞栓症患者。機械弁の血栓化は致命的である。このような症例では、周術期でも抗凝固療法を継続することが望ましい。方法としては、ヘパリン療法に変更(手術4〜7日前にワーファリンを中止し、aPTTを対象値の1.5〜2倍になるようにヘパリン10000〜15000/日の持続静脈内投与)する方法と、ワーファリン漸減中止法(手術3〜4日前にワーファリンを漸減して中止し、術当日のTT=40〜50%を目標とする)があるが、出血のリスクには差がないが、血栓形成についてはヘパリン療法の方が調節性がよく安全である。
[正解] 1 [出典] 日本臨床麻酔学会誌Vol15-No7-p563
【トラブル・シューティング】〜麻酔緊急Vol.2p156 (アナフィラキシー、その他)『局所麻酔薬による全身痙攣』 ●症状:重症では意識消失、全身痙攣→O2消費↑・CO2産生↑排泄↓→低酸素症・代謝性/呼吸性アシドーシス。 症例:子宮筋腫の手術に際し、硬膜外麻酔を行いカルボカイン+マーカイン総量20ml注入直後に、全身痙攣と意識障害をきたした。即純酸素換気、挿管を行いジアゼパム10mgを投与した。ガス分析で代謝性・呼吸性アシドーシスを認めた。硬膜外カテーテルから血液が吸引できた。痙攣停止後しばらくして意識回復し、はっきり応答ができたので全身麻酔により手術を施行した。 |
【問題3】(呼吸) 次のうち誤っているのはどれか。 | ア:中枢化学受容器は低酸素により刺激される。 イ:中枢化学受容器は高二酸化炭素により刺激される。 ウ:中枢化学受容器は[H+]の上昇により刺激される。 エ:末梢化学受容器の役割は頚動脈体>大動脈体である。 オ:末梢化学受容体の低酸素と高二酸化炭素による刺激は相乗効果を持つ。 |
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[解説] 中枢化学受容器は延髄の腹側表面にあるCO2や[H+]に特異的に感受性を示す部位である。末梢化学受容器には、頚動脈分岐部に位置する頚動脈体と大動脈弓および肺動脈表面に散在する大動脈体の2つが知られており、その役割は頚動脈体>大動脈体である。末梢化学受器は血中のO2低下、CO2上昇によって刺激され、さらに両刺激は相互に正の相乗効果を持つ。中枢化学受容器との最も大きな違いは低酸素によって刺激を受けることであり、酸素低下による呼吸中枢活動の抑制にも拮抗する。
[正解] (ア) [出典] 日本臨床麻酔学会誌 Vol19-No1-p25〜26
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