腹部大手術における術前ショック指数
・大きな腹部緊急手術(MAES)患者は死亡率や合併症のリスクが高い。MAES は一刻を争うため、簡単に計算できるリスクスコアリングツールが必要である。ショック指数(SI)は心拍数(HR)を収縮期血圧(SBP)で割ることにより得られ、患者の血行動態を知る可能性がある。著者らは、術後死亡率、急性腎障害(AKI)、集中治療室(ICU)および高依存度モニタリングの必要性、ICU在室期間(LOS)の予測における SI の有用性を評価することを目的とした。
・2013 年 1 月から 2020 年 12 月までの MAES 患者 212,089 例を後ろ向きに検討した。コホートは傾向マッチされ、3960 例が組み入れられた。麻酔カルテに記録された最初の HR と SBP を用いて SI を算出した。回帰モデルを用いて SI と転帰の関連を検討した。SI と生存の関係は Kaplan-Meier 曲線で検討した。
・1 ヵ月時(オッズ比[OR]2.40[1.67-3.39]、P<0.001)、3 ヵ月時(OR 2 .13[1.56-2.88]、P<0.001)、2 年時(OR 1.77[1.38-2.25]、P<0.001)において、SI と死亡率との間に有意な関連が認められた。多変量解析により、1 ヵ月後(OR 3.51[1.20-10.3]、P=0.021)と 3 ヵ月後(OR 3.05[1.07-8.54]、P=0.034)における SIと死亡率の間に有意な関係があることが明らかになった。単変量解析および多変量解析でも、SI と AKI(P<0.001)、術後 ICU 入室(P<0.005)、ICU LOS(P<0.001)との間に有意な関係が認められた。SI は 2 年死亡率には有意な影響を及ぼさない。
・SI は 1 ヵ月後、3 ヵ月後、AKI、術後 ICU 入室、ICU LOS における術後死亡率の予測に有用である。
・2013 年 1 月から 2020 年 12 月までの MAES 患者 212,089 例を後ろ向きに検討した。コホートは傾向マッチされ、3960 例が組み入れられた。麻酔カルテに記録された最初の HR と SBP を用いて SI を算出した。回帰モデルを用いて SI と転帰の関連を検討した。SI と生存の関係は Kaplan-Meier 曲線で検討した。
・1 ヵ月時(オッズ比[OR]2.40[1.67-3.39]、P<0.001)、3 ヵ月時(OR 2 .13[1.56-2.88]、P<0.001)、2 年時(OR 1.77[1.38-2.25]、P<0.001)において、SI と死亡率との間に有意な関連が認められた。多変量解析により、1 ヵ月後(OR 3.51[1.20-10.3]、P=0.021)と 3 ヵ月後(OR 3.05[1.07-8.54]、P=0.034)における SIと死亡率の間に有意な関係があることが明らかになった。単変量解析および多変量解析でも、SI と AKI(P<0.001)、術後 ICU 入室(P<0.005)、ICU LOS(P<0.001)との間に有意な関係が認められた。SI は 2 年死亡率には有意な影響を及ぼさない。
・SI は 1 ヵ月後、3 ヵ月後、AKI、術後 ICU 入室、ICU LOS における術後死亡率の予測に有用である。
ひこ
言われてみれば、有意な関係があってもよさそうだな。ショック指数は、超急性期の重症度を端的に表している。
【出典】
Preoperative shock index in major abdominal emergency surgery
Ann Acad Med Singap. 2023 Sep 27;52(9):448-456.
Preoperative shock index in major abdominal emergency surgery
Ann Acad Med Singap. 2023 Sep 27;52(9):448-456.
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