術後口渇の有病率と危険因子:系統的レビューとメタ分析

口喝.png・口渇は脱水の症状であり、術後の転帰や快適性に影響を及ぼす主な合併症の一つである。持続的な水分不足は、患者の認知機能や心理に有害な影響を及ぼす可能性がある。しかし、術後の口渇の有病率と危険因子に関する現在のエビデンスは完全には理解されていない。そこで本研究では、術後の口渇の有病率と危険因子を調査し、臨床実践のための指針を提供することを目的とする。

系統的レビューとメタ分析。PubMed、Cochrane Library、Web of Science、Embase、Clinicaltrials.gov、China National Knowledge Infrastructure、Wanfang Database を検索した。適格な研究はAgency for Healthcare Research and Quality を用いて評価した。収集されたデータはプールされ、Stata15.0 を用いて解析された。

20,612 人の患者を含む合計 11 件の横断研究が含まれた。8 件の研究が有病率を報告し、プールされた術後口渇の有病率は 76.8%(95% 信頼区間[CI]:0.664〜0.858)であった。5 件の研究が術後の口渇のリスク因子のメタ分析に貢献した。その結果、性別(オッズ比[OR]=1.44、95%CI=1.13〜1.84、I2=80.2%、P=0.006)、麻酔薬(OR=1.48、95%CI=1.06〜2.06、I2=94.8%、P<0.001)、手術の種類(OR=0.66、95%CI=0.49〜0.9、I2=77.9%、P=0.004)が術後の口渇と統計的に関連していることが示された。

・本研究では、術後の口渇の有病率が高いことが示された。性別、麻酔薬、手術の種類は、術後の口渇に影響する危険因子である。看護師およびその他の医療専門家は、患者の術後の口渇を日常的に評価し、患者の苦痛な症状を緩和し、ケアの質を向上させるために的を絞った介入を行うべきである。

確かに術直後に「喉を潤したい」という患者は多い気がする。

【出典】
The Prevalence and Risk Factors for Postoperative Thirst: A Systematic Review and Meta-analysis
J Perianesth Nurs. 2024 Jun 24:S1089-9472(24)00043-1.

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