術後転帰の予測における ASA クラスの重要な補因子としての併存疾患の数:国際多施設コホート研究

併存疾患数.png・多疾患合併は、高齢化社会における負担の増大であり、周術期の罹患率および死亡率と関連している。ASA-PS 分類が何度か修正されたにもかかわらず、多疾病はまだ考慮されていない。したがって、本研究の目的は、周術期患者における併存疾患の負担を定量化し、ASA クラスとは別に周術期転帰に及ぼす潜在的影響を評価することである。

・国際的な 8 施設で行われた前向き ClassIntraR 検証研究のサブ集団において、麻酔に関連する併存疾患の種類と重症度を電子カルテから抽出し、本研究に追加した。検証試験の患者は、あらゆる年齢で、あらゆる種類の院内手術を受け、周術期の転帰を評価するために術後 30 日まで追跡された。主要評価項目は ASA クラス別の合併症の数であった。関連する術後在院日数(pLOS)と Comprehensive Complication Index(CCIR)が副次的エンドポイントであった。CCIR は 0(合併症なし)から 100(死亡)までの尺度で、全術後合併症の加重合計として術後罹患の重症度を測定する。

登録患者 1421 例中、合併症の平均数は ASA I 群の 1.5(95%CI、1.1-1.9)から ASA IV 群の 10.5(95%CI、8.3-12.7)へと有意に増加した。さらに、ASA クラスとは無関係に、CCIR によって測定された術後合併症は、各併存症につき 0.81(95%CI、0.40-1.23)増加し、pLOS も同様であった(幾何平均比、1.03;95%CI、1.01-1.06)。

・これらのデータは、手術集団における多疾患の高い有病率を定量化し、併存疾患の数が ASA クラスとは無関係に術後転帰不良の予測因子であることを示している。

そうだよね〜、個々の合併症は軽微なものでもたくさんあると「合わせ技 1 本!」っていうのはよくある。

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