■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/07/09

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【問題1】(心臓・血管) 次の薬剤のうち、慢性心不全の予後を改善することが明らかにされているものはどれか?
1) ACE阻害剤
3) カルシウム拮抗剤
5) アムリノン
2) 経口カテコラミン(テ゛ノハ゜ミン)
4) 亜硝酸剤


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[解説] 現在のところ、慢性心不全の予後を改善することが明らかにされている薬物はACE阻害剤のみである。


[正解] 1 [出典] 研修医ノートP657




【問題2】(心臓・血管) 気道内圧の上昇するショックはどれか?
1) アナフィラキシー・ショック
3) 循環血液量減少性ショック
5) 神経原性ショック
2) 心原性ショック
4) 敗血症性ショック


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[解説] アナフィラキシー・ショックでは多彩な症状が発現する。生命を脅かす症状としては(1)急激な血圧低下(=循環虚脱) (2)細気管支の収縮(喘息様発作) (3)咽頭喉頭浮腫(→窒息)  生命に危険を及ぼすことの少ない症状としては、蕁麻疹、嘔気、嘔吐、胸部圧迫感、腹痛、痙攣、意識障害等がある。血圧低下に対しては、昇圧剤(エピネフリンがfirst choice)投与と輸液、気管支収縮に対してはアミノフィリンやステロイド投与、人工呼吸、咽喉頭浮腫に対しては、気管内挿管、気管切開を行なう。


[正解] 1 [出典] 救急認定医診療指診P195



【問題3】(安全対策) ミクロショックについて正しいのはどれか。

ア:微小電流が皮膚を通して体内に流れ込む現象をミクロショックという。

イ:ミクロショックでは100μAの微小電流でも心室細動を起こす。

ウ:直接心臓に接続するME機器はCF形でなければならない。

エ:3Pプラグの接地端子は他の2極端子よりも長い。

オ:電撃には周波数特性があり、周波数が高くなるほど電撃を受けやすくなる。


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[解説] いわゆる感電(マクロショック)に対し、ミクロショックとは、皮膚を通さず、体内で漏電電流が組織内を伝わり、直接心臓を通って流れ、更に皮膚を通って体外へ逃げる場合で、35μAの微小電流でも心室細動の危険がある。安全限界最大許容電流は、10μAとされている。直接心臓に接続するME機器はCF形(cor floating:心臓に接続する部分の絶縁を意味する)でなければならない。3Pプラグの接地端子は他の2極端子よりも長い。電撃には周波数特性があり、周波数が高くなるほど収縮性組織を興奮させないので、不整脈を起こさず、痛みよりは熱を発生するようになる。


[正解] (イ)、(ウ)、(エ) [出典] 第28回麻酔指導医認定筆記試験:A29




【問題4】(呼吸) 気道管理(気管内挿管、気管切開)を行う際、至適温度は( )度、至適湿度は相対湿度( )%が望ましいとされている。
1) 36〜38:100
3) 26〜32:80
5) 32〜36:100
2) 32〜36:80
4) 26〜32:60


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[解説] 鼻腔、咽頭は吸入気の加温給湿を行い、気道粘膜を冷気と乾燥から防ぎ、感染を防御する機能を担っている。たとえば、21度、相対湿度45%の空気を吸入すると、気管入口部では37度、相対湿度95%になっている。気管内チューブは鼻腔と咽喉頭をバイパスするためこれらの機能が損われる。気道管理(気管内挿管、気管切開)を行う際、至適温度は32〜36度、至適湿度は相対湿度100%が望ましいとされている。


[正解] 5 [出典] 救急認定医診療指診P91

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