■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/07/10
【問題1】(肝・腎・消化管) 超音波エコー像において、腹壁や横隔膜、臓器皮膜に特徴的なものはどれか? | 1) 多重反射 3) ライン状エコー 5) 音響陰影 | 2) 無エコー 4) スペックルパターン |
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[解説] 超音波エコー像における特徴的所見:骨やある種の結石→音響陰影、実質臓器→スペックルパターン、腹壁や横隔膜、臓器皮膜→ライン状エコー、腹腔内遊離ガス→多重反射、腹腔内貯留液→無エコー、keyboard sign→イレウス
[正解] 3 [出典] 救急認定医診療指診P609
【問題2】(代謝内分泌) インスリンの不足によって生じやすい状態について正しいのはどれか。 | ア:糖からグリコーゲンへの合成促進 イ:肝からの糖放出の増加 ウ:アミノ酸から糖新生の増加 エ:遊離脂肪酸の酸化亢進 オ:脂肪酸から脂肪への合成促進 |
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[解説] インスリン不足下の糖代謝異常の究極的な結果は、肝における糖新生、脂肪分解からのケト酸産生である。糖尿病の本態は、インスリンの不足で、糖が肝、筋、脂肪組織で利用され難くなり糖からグリコーゲンへの合成が障害され、肝から糖放出が増加し、血糖上昇と尿糖出現をきたす。更に、蛋白分解により生じたアミノ酸からの糖新生が増す。また遊離脂肪酸からの脂肪への合成が低下し、むしろ脂肪は分解される傾向に向かい、遊離脂肪酸のβ酸化の結果生じたアセチルCoAから、肝ミトコンドリアでHMGCoAを経てケトン体が合成される。
[正解] (イ)、(ウ)、(エ) [出典] 第26回麻酔指導医認定筆記試験:A29
【問題3】(循環管理) 肺塞栓の早期発見はまず,疑うことである.以下の症状のうち,頻度の高いのはどれか. | ア:呼吸困難 エ:下肢の腫張 | イ:胸痛 オ:喀血 | ウ:咳 |
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[解説] (ア):(正)発生率 73%:呼吸数 20 回/分以上,呼吸音で crackle を聴取することが多い.
(イ):(正)発生率 66%
(ウ):(正)発生率 37%
(エ):(誤)発生率 28%: 下肢痛の発生率 25%
(オ):(誤)発生率 13%
深部静脈血栓の既往をもつ患者の手術では,弾性包帯や間欠的下肢加圧装置を使用し,再発を防止する.深部静脈血栓や肺塞栓の危険因子をもつ患者では,ヘパリン 5000 単位皮下注射を,手術 2 時間前から開始し,8〜12 時間おきに行う.術後患者で肺塞栓が発症したとき,出血が持続している患者ではヘパリンを投与しにくいので,下大静脈フィルターを留置する.
[正解] (ア)、(イ)、(ウ) [出典] Super Hospital 麻酔科
【問題4】(中枢神経) Cheyne-Stokes 呼吸は、どの部位の障害で起こるか? | 1) 橋中部から下部 3) 両側大脳皮質下および間脳 5) 延髄 | 2) 中脳下部より橋上部 4) 橋下部から延髄上部 |
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[解説] Cheyne-Stokes 呼吸=両側大脳皮質下および間脳の障害、中枢性神経因性過換気=中脳下部より橋上部の障害、持続性吸息性呼吸=橋中部から下部の障害、群発呼吸=橋下部から延髄上部、失調性呼吸=延髄の障害で起こる。
[正解] 3 [出典] 内科レジデントマニュアルP3
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