心臓手術における肺動脈カテーテル使用と院内転帰:系統的レビューとメタ分析

PAC.png・本研究の目的は、心臓手術患者における術中の肺動脈カテーテル(PAC)使用と院内転帰との関連を明らかにすることであった。

・MEDLINE、Embase、および Cochrane Library(Wiley)のデータベースから、術中に PAC を挿入された心臓手術患者と対照を比較し、院内死亡率を報告した研究をスクリーニングした。副次評価項目として、集中治療室(ICU)の在室日数、入院費用、投与された輸液量、挿管時間、強心薬の使用、急性腎障害(AKI)、脳梗塞、心筋梗塞(MI)、感染症などを挙げた。

7 件の研究(25,853例、88.6% が冠動脈バイパス術を受けた)が組み入れられた。院内死亡率は PAC の使用により有意に増加した(OR 1.57;95%CI 1.12-2.20、p=0.04);PAC の使用は術中の強心薬の使用量の多さとも関連していた(OR 2. 61; 95%CI 1.54-4.41)、費用(SMD=0.20; 95%CI 0.16-0.23)、ICU 滞在の延長(SMD=0.29; 95%CI 0.25-0.33)、挿管時間の延長(SMD=0.44; 95%CI 0.12-0.76)とも関連していた。

・PAC の使用は院内死亡の有意なオッズ増加と関連しているが、利用可能なエビデンスの量と質は限られている。心臓手術患者の転帰に対する PAC の効果を検証する前向き無作為化試験が早急に必要である。

術前の心機能が悪いから PAC を使用したに過ぎないのだろう。PAC を使用したからと言って術中の強心薬の使用量が増えるわけがないと思うのだが。

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