■ 臨床麻酔とクリティカルケアのMCQ問題 ■ 2024/07/11

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【問題1】(呼吸) 慢性呼吸器疾患患者の急性増悪の場合の起炎菌として何を考えるか?
1) インフルエンザ桿菌
3) MRSA
5) 真菌
2) 肺炎球菌
4) マイコプラズマ


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[解説] 慢性呼吸器疾患患者の急性増悪の場合の起炎菌としてはインフルエンザ桿菌を考える。


[正解] 1 [出典] 内科レジデント実践マニュアルP127




【問題2】(呼吸) 呼吸に関するOxygenation Indexとはどれか?
1) PAO2/PaO2
3) PaO2/PAO2
5) PAO2−PaO2
2) PaO2/FIO2
4) AaDO2/PaO2


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[解説] 肺の酸素化能のもっとも簡便な指標はPaO2であるが、これは吸入酸素濃度(FIO2)に大きく依存するためPaO2のみでは障害程度を定量的には表現できない。これに代って酸素化を表す指標として用いられるのが呼吸に関するMインデックスやRインデックス、oxygenation index である。Mインデックス=PAO2/PaO2(正常:1.2〜1.5、呼吸不全:>2.0)  Rインデックス=PaO2/PAO2(正常:0.6〜0.98、呼吸不全<0.5)  oxygenation index=PaO2/FIO2(正常:>300mmHg、呼吸不全:<200mmHg) (参考)Vインデックス(換気不全指数)=PaCO2×MV/BW×4;<2でウィーニング開始、<1.5で抜管可能


[正解] 2 [出典] 救急医学Vol18-No4-p409




【問題3】(心臓・血管) 胸痛に脳梗塞を合併する場合には、どれを考えるか?
1) 解離性大動脈瘤
3) 急性心筋梗塞
5) 特発性食道破裂
2) 肺塞栓
4) 不安定狭心症


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[解説] ■胸痛をきたす致死的疾患:A=AMI(急性心筋梗塞)、B=Bulla(緊張性気胸)、C=Carditis(心膜心筋炎)、D=Dissection(大動脈解離)、E=Embolism(肺塞栓)
■解離性大動脈瘤:血圧左右差>15mmHg、背部痛、腰痛、下肢痛、胸痛+脳梗塞=解離性大動脈瘤。一側下肢浮腫+突然の呼吸困難=肺塞栓



[正解] 1 [出典] 研修医当直御法度P30



【問題4】(エネルギー代謝) 次のうち誤っているのはどれか。

ア:ブドウ糖1molが生体内で完全に酸化されると36〜38molのATPが生成される。

イ:食物あるいは生体内に蓄えられたエネルギー基質は電子の供与体である。

ウ:酸素はエネルギー代謝において電子の受容体として機能している。

エ:細胞内には大量にATPが蓄積されている。

オ:健常人の安静時酸素消費量の90%はATP合成に用いられている。


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[解説] ブドウ糖1molが解糖系で代謝されると2molのATP、生体内で完全に酸化されると36〜38molのATPが生成される。食物あるいは生体内に蓄えられたエネルギー基質は電子の供与体であり、酸素は電子の受容体として機能している。ATP合成能は非常に大きく、ATP消費が増えれば、ADPから速やかに再合成される。ATPの合成は消費量に見あう形で進行する反応である。ATPはATP+ADP+AMPの80%以上を占めているが、これはATPの代謝回転が速いことで維持されており、細胞内に大量に蓄積しているわけではない。健常人の安静時酸素消費量の90%はATP合成に用いられている。


[正解] (エ) [出典] LiSA Vol2-No5-p16(1995)

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